エゼキエルとは?『エゼキエル書』の内容を要約して解説!

旧約聖書にある『エゼキエル書』に描かれているのは預言者エゼキエルを中心とした出来事です。
この『エゼキエル書』は旧約聖書の中でも『イザヤ書』、『エレミヤ書』とともに三大預言書と呼ばれています。
『エレミヤ書』についての記事はこちらにありますので、よろしければご覧ください。
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ここでは『エゼキエル書』で描かれているエゼキエルの預言について分かりやすく解説していきたいと思います!
『エゼキエル書』の時代
預言者エゼキエルが生きた時代というのはネブカドネザル二世によるバビロン捕囚が行われた後の時代になります。
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預言者エゼキエルは自らもバビロン捕囚となった五年目に神様より預言活動をすることを命令されるのです。
その時の神様の言葉がざっくり言うとこんな感じです。

エゼキエルよ、私はあなたをイスラエルの民達に遣わすよう命ずる。イスラエルの民たちは私に背いて、今や反逆の民達となっている。それはもう彼らの先祖の頃からずっと続いている。彼らは強情な者たちである。エゼキエルよ、そなたはただこう言えばいい。 「主なる神はこう言われる」と
こうしてエゼキエルの預言者人生がスタートするのです。
ちなみに、この唯一神であるヤハウェについて知りたい方はこちらの記事にて紹介していますので、よろしければご覧ください。
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エゼキエルの預言
エゼキエルの預言のうちの前半はイスラエルの民たちへの警告です。
なぜ自分たちはバビロン捕囚を受けているのか、エゼキエルはひたすらに神への悔い改めについて説いたのです。

神様は言っています。イスラエルの人々は神を忘れて、神をあなたたちの後ろに捨て去ってしまった。あなたたちは自分の淫乱と淫行との罪を背負わねばなりません
当時のイスラエルの人々は偶像崇拝や異教徒との姦淫など不信仰となされる行為を行っていたようです。
エゼキエルはそれに対して警告を発しています。
ちなみに偶像崇拝や姦淫がなぜいけないかというとモーセの十戒でそれは戒めとして定められているからです。
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エゼキエルが説いたのはユダヤ王国が滅亡した原因が『神がイスラエルの人々を守れなかった』からではなく『神自身がイスラエルの人々の中にある邪悪なものに対して、その当然の結果をもたらされることを選んだ』というあくまでも『神はイスラエルの人々を救えることが出来たがあえてそれをしなかった』というスタンスをとっています。
つまり、イスラエルの人々が約束の地を追われてしまったのは完全に自業自得というか、自分たちの信仰が間違っていたからだという風に説いたのです。
エゼキエルが預言する希望
このようにエゼキエル書には神に対する不信仰について多くの預言がなされていますが、一方で後半にはきちんと希望も描かれています。
その希望とは簡単にいうと、『悔い改めて神様に立ち帰る者には回復が与えられる』というものです。
その内容には神殿の再建について礼拝の規定、将来の国家への細やかな規定なども預言されていたために、エルサレム陥落によりいったんは希望を失ったイスラエルの民たちも、エゼキエルの希望の預言(それもかなり具体的な国家再興の預言)を聞いて、

あれ、もしかしたら自分たちは帰れるかもしれない!
エゼキエルから発せられる神の言葉に多くのイスラエルの人々は希望を見出していたのだと思います。
そして第二神殿の建設と国家復興へとまた続いていくのです。
旧約・新約聖書のあらすじから、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教までを1冊の本でまとめたものがあります。
聖書の基本から発展編まで、さらに深く知りたい方には持って来いの本なので、

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