夏目漱石の『こころ』(上中下)のあらすじを簡単に解説!

夏目漱石の『こころ』表紙画像

日本人であれば夏目漱石の名前を知らない人は少ないでしょう。

なぜなら、日本の紙幣(それも1000円札という庶民に最も親しまれている紙幣)に描かれている人物だからです。

その夏目先生の代表作である『こころ』。

なぜ『こころ』が時代を超えて出版され続けているのか…。

もちろん時代を超えた普遍的なテーマを描いているからと言われてしまえばそれまでなのですが、第一に小説として非常に面白いのです。

初めて『こころ』を読んだのは高校の教科書だったという人が大半なのではないでしょうか。

国語の教科書に載っている『こころ』は下の一部を抜粋しているだけで、小説の全文が掲載されている訳ではありません。

『こころ』における下は先生とKがお嬢さんをめぐる三角関係の話です。

この国語の教科書で止まってしまっている全ての人に伝えたいことはただ一つです。

『こころ』はそんなあまっちょろい話じゃないから、とにかく全文読め!

『こころ』と言えばKという登場人物がメインキャラクターとして登場するイメージがありますが、Kが登場するのは『こころ』の物語においてラスト3分の1です。

最初の3分の2はひたすらどうして先生(下の主人公)がこんなにも暗く厭世的なのかを問い続けるパートなのです。

いやもちろんそれ以外もありますが、基本はこれです。

そしてその謎が解けるのが教科書に載っている部分、つまり下です。

なので『こころ』の下だけ読んでいるというのはミステリーでいう謎解きの部分だけ読んだということに他なりません。

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いやでも謎解き分かったら別に他のところ読まなくてもよくね?

と思っているそこのあなた!!

『こころ』をなめてもらっては困ります。

『こころ』の最大の魅力、それはネタバレしているのに面白い!!ということです。

行為のネタバレ(例えば最後Kが自殺するなど)があっても関係ないのです。

『こころ』はタイトルの通り心理描写が卓越しているため、なぜそんな行為をしてしまうのか…という考察をしっかりするためには前半部分は必読なのです。

今回この記事で少しでも『こころ』の面白さが伝わるように解説できたらと思いますが、一番は本当に『こころ』を読んでいただきたいです。

今では青空文庫でネットに繋がってさえいれば、誰でも『こころ』が読める時代になりました。

ありがとう青空文庫…!!

夏目先生に最大の敬意と感謝を表して、私になりに頑張って書いていこうと思います。

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『こころ』の主な登場人物

名前人物像人物説明
田舎から出て来て東京の大学に通っている学生。先生に対して異常な執着をみせる。
先生
大卒の所帯持ち、それでいてニート。
奥さん
先生の奥さん。女性としてとても魅力的な人。
K

ストイックかつ堅物。無口で真面目で、なんかかっこいいキャラクター。

『こころ』の登場人物に関してさらに詳しく知りたい方は、

どうぞこちらの記事を読んでいただけたら幸いです。

『上 先生と私』

私が先生と出会い、交流していく様子が描かれているのが上です。

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先生のことが知りたい

と思う私と

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そんな無駄なことはよせ

という先生。

しかし決して私のことを拒絶しない先生…。

私は先生が毎月誰かの墓参りに行っていることが気になります。

もちろんこの墓がKの墓ですが、なぜこの人の墓参りに先生が行くのか私には分かりません。

私に分かるのは先生がとても賢い人であるに関わらず、人間嫌いなため職にもつかず人生を送っているということだけです。

冷静に考えてみて、確かに外国人と英語でバリバリ喋れる成人男性がニートだとは誰も思わないでしょう。

これだけ国際化が発達した現代ですら英語を喋れる日本人=賢い人というイメージがあるのですから、『こころ』の時代(明治時代後期)では先生は物凄く賢い人に分類されていたと思います。

先生が人間嫌いなのはKの自殺以前に死んだ両親の財産を親族(叔父)に横取りされたという点から始まっています。

その描写が以下の通りです。

私は他(ひと)に欺かれたのです。しかも血のつづいた親戚のものから欺かれたのです。私は決してそれを忘れないのです。私の父の前には善人であったらしい彼らは、父の死ぬや否や許しがたい不徳義漢に変ったのです。私は彼らから受けた屈辱と損害を子供の時から今日まで背負(しょ)わされている。恐らく死ぬまで背負わされ通しでしょう。私は死ぬまでそれを忘れる事ができないんだから。しかし私はまだ復讐をしずにいる。考えると私は個人に対する復讐以上のことを現にやっているんだ。私は彼らを憎むばかりじゃない、彼らが代表している人間というものを、一般に恨む事を覚えたのだ。私はそれで沢山だと思う。

先生の孤独がこの文章からも垣間見れますね。

この先生のセリフは主人公である私が

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父親が病気で間もなく死ぬかもしれない

と先生に伝えたシーンで生まれました。

すると、先生がやたらと

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父親の遺産のことはきちんと整理しなさい

と言ってくるので、私が

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どうしてそんなことを言うのですか?

と先生に問いただした時に出てきたセリフです。

しかし、肝心の先生の過去や罪についての話を聞かされていない私はもっと先生の過去について知りたいと思います。

そして先生に

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過去について教えてください!

としつこく懇願します。

先生はそんな私の執念に根負けしたのか、

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いつか教えます

と約束をします。

それが遺書となって下で明かされるのです。

『中 両親と私』

病気の父親の知らせを受け、私が田舎に帰るの巻です。

中では周りの期待と現実の乖離に苦しむ私が描かれているように思います。

私は言ってしまえば大卒で、家族からしたら出世街道まっしぐらだと思われているのです。

しかし、私は大学を卒業したことをそんなに大層なことだと思っていません。

卒業したら凄く良い職場につけると信じている両親に対しても、

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そんな良い就職先なんてないよ

みたいなことを言ったりします。

ほんとこのパートは就職活動の学生とかに刺さりまくる部分だと思うので、就活生ほんと『こころ』の中を読んでくれ。

夏目先生がはるか昔に学生の想いを代弁して小説にしてくださっている…。

まぁ、就職に関することもそうですが、私が両親と衝突するのは先生に対する評価についてもそうです。

「その先生は何をしているのかい」と父が聞いた。

何もしてないんです」と私が答えた。

私はとくの昔から先生の何もしていないという事を父にも母にも告げたつもりでいた。そうして父はたしかにそれを記憶しているはずであった。

「何もしていないとは、またどういう訳かね。お前がそれほど尊敬するくらいな人なら何かやっていそうなものだがね」

父はこういって、私を諷(ふう)した。父の考えでは、役に立つものは世の中へ出て、相当の地位を得て働いている。畢竟(ひっきょう)やくざだから遊んでいるのだと結論しているらしかった。

畢竟』という言葉は夏目先生の作品ではめちゃくちゃ出てくる単語ですので、ぜひ覚えておいていただけたらと思います。

結局という意味です。

私は先生を尊敬してやまないのですが、先生はそう、ニートなのです…。

だから、私の家族からの評価は低いのです。

しかし、私の母親は私が尊敬している人であるからには偉い人なのだろうと先生に就職先を紹介してもらえと言います。

私は絶対先生はそんな就職先なんて紹介してくれるはずがないと思いながらも、

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それで家族が納得するなら…

と手紙を書きます。

すると、先生から

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今すぐ会えないか

という電報が届きます。

母親は先生が私の就職先を見つけてくれたのだと喜びますが、父親の病状が悪化したため、私は

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今は会えません

と電報にして先生に返します。

そしてもういよいよ父親がいつ死んでもおかしくない…という段階になって、先生から分厚い郵便が届きます。

それが下で明かされる遺書です。

始めは私も先生の手紙よりも病気の父親を心配していたのですが、ふとその手紙に書かれていた

この手紙があなたの手に落ちる頃には、私はもうこの世にはいないでしょう。とくに死んでいるでしょう

という文章を読んだ私はもう先生のことしか考えられなくなります。

そしてなんと、危篤状態の父親を放って先生に会いに行くという暴挙にでます。

ここほんとサラッと書いているけど、だいぶヤバイシーンだと思うので、ちょっと長いけど引用させてください。

私はまた病室を退いて自分の部屋に帰った。そこで時計を見ながら、汽車の発着表を調べた。私は突然立って帯を締め直して、袂(たもと)の中へ先生の手紙を投げ込んだ。それから勝手口から表へ出た。私は夢中で医者の家へ駆け込んだ。私は医者から父がもう二、三日保(も)つだろうか、そのところを判然(はっきり)聞こうとした。注射でも何でもして、保(も)たせてくれと頼もうとした。医者は生憎(あいにく)留守であった。私は凝(じっ)として彼の帰るのを待ち受ける時間がなかった。心の落ち着きもなかった。私はすぐ俥(くるま)を停車場(ステーション)へ急がせた。

私は停車場の壁へ紙片を宛がって、その上から鉛筆で母と兄あてで手紙を書いた。手紙はごく簡単なものであったが、断らないで走るより増しだろうと思って。それを急いで宅へ届けるように車夫に頼んだ。そうして思い切った勢いで東京行きの汽車に飛び乗ってしまった。私はごうごう鳴る三等列車の中で、また袂から先生の手紙を出して、ようやく始めからしまいまで眼を通した。

こんなツッコミどころ満載な文章があるでしょうか。

いや、夏目先生が書いているだけあって凄く真面目な感じは伝わってきますが、やってることは無茶苦茶ですからね。

危篤状態の父親に注射打ってでもいいから二三日もたせろと医者に頼みに行くとか、そんな無茶な…。

しかも結局それもしないで、東京行っちゃうし。

母と兄に向けた手紙になんて書いたのだろうか…。

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ちょっと急用で…

みたいな感じですかね。

父親が死にかけていることよりも大事な用事ってなんだよ!!て絶対思われるだけでしょうけど。

父親の命<先生の命なんでしょうね、私にとって…。

『下 先生と遺書』

先生の遺書に書かれている先生が学生時代の頃のお話です。

先生がなぜ人間嫌いになったのかの本質を告白します。

先生の過去、そして罪が暴かれるのです。

学生時代の先生は両親が死にその財産を叔父さんに横取りされてしまい、人間を信じられなくなります。

そこで先生は下宿を抜け出し、とある軍人の未亡人であるお宅に居候することに決めました。

そして、そこのお嬢さんに一目惚れしてしまいました。

叔父さんの件で人間嫌いだった先生ですが、

私は金に対して、人類を疑ったけれども、愛に対しては、まだ人類を疑わなかったのです。

とのことです。

先生はお嬢さんへの恋をこのように表現しています。

私はその人に対して、ほとんど信仰に近い愛をもっていたのです。私が宗教だけに用いるこの言葉を、若い女に応用するのを見て、あなたは変に思うかも知れませんが、私は今でも固く信じているのです。本当の愛は宗教心とそう違ったものではないという事を固く信じているのです。私はお嬢さんの顔を見るたびに、自分が美しくなるような心持がしました。お嬢さんの事を考えると、気高い気分がすぐ自分に乗り移って来るように思いました。

先生はどこかお嬢さんを女神か何かと思っているような節があるような気がするんですよね…。

だからKとのことだって、お嬢さんには最後まで言えなかったのだと思います。

愛というか信仰ですよね。

人間嫌いの先生らしいというか…。

しかし、Kが登場する前の下はどこか少女漫画のような胸キュンストーリーがあります。

お嬢さんと奥さんと先生の3人で街へ出かけたのを大学の同級生に見られて、後日

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いつお前(先生)は妻をもらったのか

とからかわれるシーンなどほのぼの純情ラブストーリーも垣間見れます。

先生はお嬢さんと出会うことによって徐々に人間らしさを取り戻すのです。

そして、Kの登場です。

Kと先生は同郷の幼なじみであり、中高大と同じ学校に通う親友なのです。

Kの実家は寺なのですが、Kは医者の家に養子に出されます。

養家先はKを医者にするために勉強をさせるのですが、Kは医者になろうと思っていませんでした。

先生は

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それでは養家先を欺くのと一緒じゃないか

とKをなじります。

先生は人から騙されましたし、そういうことには敏感なのだと思います。

しかし、Kは

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『道』のためなら仕方がない

と言います。

多くの人が

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『道』ってなんやねん!

と思うところですが、先生は納得してしまいます。

それはKが真面目で不良でなかったからだと思います。

Kは全力で精神の向上を目指したのです。

先生はそれを応援しました。

しかし、Kは医者になるつもりがないことを自分で養家先に伝えてしまいます。

こうしてKは実家+養家先から凄まじい非難を受け、簡単に言えば勘当されてしまったのです。

Kは自分の力で生きていくしかなくなり、夜間学校で働きだしました。

大学生でありながら働くという苦しさが段々Kを神経衰弱にしていきます。

夏目先生が使う神経衰弱とはうつ病みたいなものだと私は理解しています。

そんなKを先生は見ていられなくなって、自分の居候先にKを招いてしまうのです。

そしてその行動が一つの悲劇を生みます。

Kがお嬢さんに恋をしたのです。

彼の重々しい口から、彼のお嬢さんに対する切ない恋を打ち明けられた時の私を想像してみて下さい。私は彼の魔法棒のために一度に化石されたようなものです。

Kのお嬢さんへの想いは先生に凄まじい衝撃を与えました。

なぜなら、居候先の人と話している先生に

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無駄話の何が面白いんだ

と軽蔑していた人間だったKが恋をしたのですから。

そしてKは恋をして、どうしたらいいのか分からなくなったのでしょう。

それを先生に相談しています。

彼は私に向って、ただ漠然と、どう思うというのです。どう思うというのは、そうした恋愛の淵に陥った彼を、どんな眼で私が眺めるかという質問なのです。一言でいうと、彼は現在の自分について、私の批判を求めたいようなのです。

(中略)

私はKに向って、この際何(な)んで私の批評が必要なのかと尋ねた時、彼はいつもにも似ない悄然(しょうぜん)とした口調で、自分の弱い人間であるのが実際恥ずかしいといいました。そうして迷っているから自分で自分が分からなくなってしまったので、私に公平な批評を求めるより外(ほか)に仕方がないといいました。私は隙(す)かさず迷うという意味を聞き糺(ただ)しました。彼は進んでいいか退いていいか、それに迷うのだと説明しました。私はすぐ一歩先へ出ました。そうして退こうと思えば退けるのかと彼に聞きました。すると彼の言葉がそこで不意に行き詰りました。彼はただ苦しいといっただけでした。実際彼の表情には苦しそうなところがありありと見えていました。

あの無口で堅物、ともすれば頑固で強情だったKがこんなことを言うだなんて、恋とは凄いものですね。

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ただ苦しい

とKが言い出すなんて誰が予想できたでしょうか。

親から勘当されて、働いてた時ですらKは弱音を吐かなかったんですからね。

けれどKの最大の失敗は相談者が先生であったということです。

先生に『公平な批評』など出来るはずがないのです。

なぜなら先生もお嬢さんが好きだからです。

先生はKにその想いを告げていませんでしたので、恋に鈍感なKが分かるはずもないのですが、恋の三角関係が完成した瞬間でした。

先生はただ一言

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精神的に向上心がないものは馬鹿だ

と言っただけでした。

Kにはこの言葉が一番効くというのを先生は分かっていたのです。

Kは

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僕は馬鹿だ

と言いました。

そこで二人の会話は終わったのですが、しばらくすると先生は急に不安になってきました。

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Kが道を捨てて、お嬢さんに向かうかもしれない

と怯えだしたのです。

Kは一途な男です。

そして一度決めたらやり通す意思の力もあります。

先生はそれを恐れたのです。

そして先生がとった行動。

それはあまりに卑怯な手段でした。

Kにもお嬢さんにも気持ちを告げず、ただ奥さんにお嬢さんと結婚させてほしいと頼むのです。

奥さんはそれを了承したので、先生とお嬢さんの結婚が決まりました。

先生は

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Kに伝えなければ

と思いながらもなかなか勇気が出ず、結局Kは奥さんから先生とお嬢さんが結婚することを伝えられました。

そしてその二日後、Kは自殺しました。

このKの自殺が先生にもたらす衝撃はとてつもないものがあると思います。

私の眼は彼の室の中を一目見るや否や、あたかも硝子で作った義眼のように、動く能力を失いました。私は棒立ちに立ち竦(すく)みました。それが疾風のごとく私を通過したあとで、私はまたああ失策(しま)ったと思いました。もう取り返しが付かないという黒い光が、私の未来を貫いて、一瞬に私の前に横たわる全生涯を物凄く照らしました

この文章の凄さ、さすがは夏目先生…!としか思えません。

黒い光が全生涯を照らす』なんて表現、凡人には絶対思いつかない…。

黒い光ってなんだよ!あぁ、好き!

とまぁ、こうしてKは自殺してしまいますが、遺書にもお嬢さんのことは何一つ書かれていませんでした。

なので、Kが失恋をしていたということを知っているのはこの世に先生一人だけなのです。

先生はその後お嬢さんと結婚します。

けれど、あんなに好きだったはずのお嬢さんとの結婚生活ですがKの影がちらつきます。

私は妻と顔を合わせているうちに、突然Kに脅かされるのです。つまり妻が中間に立って、Kと私をどこまでも結び付けて離さないようにするのです。

こうして先生はお嬢さんと結婚生活を続ける限り、つまり一生Kを背負って生きてきたのです。

それを誰にも言えませんでした。

物語の最後は明治天皇が崩御したのを機に先生が自殺を決意したこと、そしてこの過去を

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どうか自分の妻だけには伝えてくれるな

と書いて終わります。


以上が『こころ』のあらすじになります。

なぜ先生とKが自殺しなければならなかったのかの考察に関しては、

こちらをご覧ください。

どうか、教科書だけで終わるのでなく、夏目先生の『こころ』を皆さんよろしくお願いします!


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