夏目漱石の代表作である『こころ』。
日本文学の代表でもあるこの作品ですが、実はBL(ボーイズラブ)的な琴線にも触れる作品なのです。
この記事では、なぜ夏目漱石の『こころ』がBL的に萌えるのかを考察していきます。
『こころ』の登場人物やあらすじについては、
まずこちらからチェックしてください!
{tocify} $title={目次}
K×先生
おそらく高校の現代国語で『こころ』に出会った腐女子たちが一番ハマるCP(カップリング)はK×先生の一択でしょう。
BLが好きではない人からしたら理解できない組み合わせ(二人ともお嬢さんという異性が好きだということになっていますし)でしょうが、腐女子的にはここが熱いのです。
同郷の幼なじみかつ親友、さらには下宿仲間
お嬢さんという女性を言ってみれば取り合う形になるKと先生ですが、そもそもこの二人は同郷の幼なじみであり、親友なのです。
二人は同じ下宿先で生活を共にしていたこともあるのです。
Kの養家先もかなりな財産家でした。Kはそこから学資を貰って東京へ出て来たのです。出て来たのは私といっしょでなかったけれども、東京へ着いてからは、すぐ同じ下宿に入りました。その時分は一つの室(へや)によく二人も三人も机を並べて寝起きしたものです。Kも私も二人で同じ間にいました。山で生捕(いけど)られた動物が、檻(おり)の中で抱き合いながら、外を睨(にら)めるようなものでしたろう。二人は東京と東京の人を畏(おそ)れました。それでいて六畳の間の中では、天下を睥睨(へいげい)するような事をいっていたのです。
田舎から出て来た先生とKは二人で東京という都会を畏れながらも、二人でいつか大きな人間(それこそKがいう精神的向上なのかもしれません)になることを目指したのでしょう。
いや、それにしても【山で生捕(いけど)られた動物が、檻(おり)の中で抱き合いながら、外を睨(にら)めるようなものでしたろう。】という表現がもう、BL的には美味しすぎて…。
なぜ抱き合う!?
Kと先生が檻の中から外の世界をびくびくしながら見ている小動物感がこれで一発で伝わりますよね。
もしも『こころ』が発行されていた時代にpixivが存在していたら、このKと先生の下宿時代を描いた二次創作とか死ぬほど作られていそうです。
カリスマ性のあるKとそれを畏れる先生
しかし、このKと先生はただの仲良し幼なじみというわけではなかったのです。
Kは先生をどう思っているのかは分かりませんが、少なくとも先生はKのことをかなり畏れていたように思います。
私は心のうちで常にKを畏敬していました。
Kは私より強い決心を有している男でした。勉強も私の倍くらいはしたでしょう。その上持って生れた頭の質(たち)が私よりずっとよかったのです。後では専門が違いましたから何とも言えませんが、同じ級にいる間は、中学でも高等学校でも、Kの方が常に上席を占めていました。私には平生から何をしてもKに及ばないという自覚があったくらいです。
劣等感の塊ですね、先生。
この先生がKに対して何をしても及ばないと思っていたというのはかなり重要なことだと思います。
Kは先生にとって切磋琢磨できるライバルというよりは、
こいつには何をしても敵わない
と諦めに似たような感情を抱く人物だったようです。
Kにはカリスマ性があったのかもしれません。
先生はKにこのような劣等感を抱いていたため、Kがお嬢さんを好きだと知った時、影で奥さんを説得するという卑怯な手段を使ったのではないでしょうか。
そして、Kは先生が自分に対してそのような畏れを抱いていると分からなかったのだと思います。
我が道を行くカリスマ性のある人は他人のことを気にしませんから(だからこそ我が道を歩けるわけですし)先生の想いなどもKは気にしていなかったのではないかと推察できます。
裏切る先生、裏切られるK
この二人の関係性の最大の魅力はこの裏切る・裏切られるという関係性です。
BLのCP(カップリング)が誕生する最大の理由ってこの二人にしか出来ない(取って代わることのできない)関係性があるから、だと思うのです。
言葉にすると凄くちゃちいのですが、一言で言うと
えっ、もう、運命じゃん…!!
ということです。(腐女子の皆さん、分かりますよね!?)
Kが登場するまでは遺書の中でお嬢さんのことを結構書いていた先生ですが、Kが登場してからはお嬢さんの気持ちとかどこ行ったの?ってくらいKのことしか考えていません。
Kからお嬢さんのことを好きだと告白された後だって、普通お嬢さんの気持ちを少しは考えたりしませんか?
お嬢さんはKと自分だったらどちらの方が好きなのだろうか…
とか。
けど、先生はずっとKのことばかり考えています。
私の頭はいくら歩いてもKの事でいっぱいになっていました。私もKを振い落す気で歩き廻る訳ではなかったのです。むしろ自分から進んで彼の姿を咀嚼(そしゃく)しながらうろついていたのです。
どんだけKのこと考えてるんだ、先生…。
先生はお嬢さんのことが本当に好きだったのかと疑いたくなってしまいます。
好きな人ならもうちょっと相手の気持ちとか考えましょうよ、先生。
Kが登場する前の先生はお嬢さんのことを考えていた(ちゃんと恋愛感情としての好意を持っていた)ように思います。
ですが、Kが登場し、Kがお嬢さんのことを好きだと分かると純粋な恋愛感情というよりもKに負けたくないという思いからお嬢さん(というより奥さん)に結婚を申し込んだとしか思えないんですよね。
勉強ではいつも負けっぱなしだったけど、色恋ごとですらKに負けてたまるか…!
みたいな感じでしょうか。
結局先生はKに囚われてるんですよね。
BL的にはそこがおいしいのですが。
そして卑怯な手段でお嬢さんと結婚できた先生ですが、Kに完全に勝利できたとは結局思えなかったのです。
彼と私を頭の中で並べてみると、彼の方が遥かに立派に見えました。「おれは策略で勝っても人間としては負けたのだ」という感じが私の胸に渦巻いて起りました。
結局先生はKに勝利できる日は来なかったのです。
なぜならKは自殺してしまいましたから…。
こうして先生は一生Kに囚われていくことになるのです。
Kの自殺についての考察の記事もありますので、
『こころ』のKと先生はなぜ自殺したの?死因の4つの関係性
夏目漱石の大ヒット小説『こころ』に登場するKと先生はなぜ自殺しなければならなかったのか?『こころ』の文章を引用しながら、時代背景などを踏まえ独自の推察を展開しています。そもそも先生は自殺しているのか?その自殺の原因とは?徹底解説!!
詳しく読んでみたいという方はどうぞこちらも参考にしてみてください。
それにしても先生の第一人称が「おれ」と確認できるの本当に胸熱ですよね…!!
体格差萌え。高身長なK。
これは本当におまけですが、Kと先生の身長差が描かれた描写が本文にあったのでご紹介できたらと思ったのです。
Kはしばらくして、私の名を読んで私の方を見ました。今度は私の方で自然と足を留めました。するとKも留まりました。私はその時やっとKの眼を真向(まむき)に見る事ができたのです。Kは私より背(せい)の高い男でしたから、私は勢い彼の顔を見上げるようにしなければなりません。私はそうした態度で、狼のごとき心を罪のない羊に向けたのです。
Kより身長の低い先生の心が狼で、Kを羊に例えているところが本当にかわいいですよね。
狼の心を持った先生というのが萌えが爆発している。
私×先生
高校の教科書を読んで
えっ、Kと先生ってBLじゃん!?
と思った女子高生腐女子の皆、もうほんと上・中読んで…!
もっとえげつないCP(カップリング)あるから!
K×先生だけで終わるのはもったいなさすぎるぞ!!
いやマジ気付け!!!
私の尽きることない先生への執着
高校の教科書のみ読んでいる方は
誰だよ、私って
と思うかも知れませんが、『こころ』の本当の主人公は私なのです。
この私がとにかく先生のことが大好きというか…とにかく執着するのです。
私は若かった。けれどもすべての人間に対して、若い血がこう素直に働こうとは思わなかった。私はなぜ先生に対してだけこんな心持が起こるのか解らなかった。
私は最初から先生には近づきがたい不思議があるように思っていた。それでいて、どうしても近づかなければいられないという感じが、どこかに強く働いた。
なぜ私が先生に執着するのか…。
それは私にも分からないようです。
しかし、大学生の私は先生の家に通い、先生を慕っているのです。
その執着が無事に実った(?)からなのか、先生は自身の過去を唯一、私にだけ打ち明けます。
先生は私に過去を綴った遺書を託すのです。
しかし、私は遺書のことよりも、もっと他のことを気にしています。
その描写がこちらです。
その時、私の知ろうとするのは、ただ先生の安否だけであった。先生の過去、かつて先生が私に話そうと約束した薄暗いその過去、そんなもの私に取って、全く無用であった。
先生から遺書を託された私は、先生の過去など興味がなく、先生が今生きているのかどうか、それだけに焦点を当てているのです。
もうほんと、夏目先生がどんな心境で私を生み出したのか聞いてみたいものです。
突き放す先生、追いかける私
先生はそんな執着する私に対して冷たいともとれる態度を取ります。
「あなたは私に会ってもおそらくまだ淋しい気がどこかでしているでしょう。私にはあなたのためにその淋しさを根元から引き抜いて上げるだけの力がないんだから。あなたは外の方を向いて今に手を広げなければならなくなります。今に私の宅へは足が向かなくなります」先生はこういって淋しい笑い方をした。
ようは、
私(先生)に会いに来てもどうせ淋しい思いをするから、どうせあなたはもうここには来なくなりますよ
と言っているわけです。
なんて淋しい人なんでしょうか、先生は。
しかし、そんなことを言われても全くめげない私。
- 突き放す先生
- 追いかける「私」
の構図がたまらんのですよ。
その構図が分かるシーンをもう一つ。
「あなたは熱に浮かされているのです。熱がさめると厭(いや)になります。私は今のあなたからそれほど思われるのを、苦しく感じています。しかしこれから先のあなたに起こるべき変化を予想して見ると、なお苦しくなります」
「私はそれほど軽薄に思われているんですか。それほど不信用なんですか」
「私はお気の毒に思うのです」
「気の毒だが信用されないとおっしゃるんですか」
いやもうこれもはや、夫を亡くした未亡人を口説く大学生ですよね…。
これ男同士の会話ってマジかよ。
街でこんな会話している男同士がいたらガン見すること間違いなしです。
いやほんと私の執着というか情熱が凄すぎる。
このシーンだけ切り取るとめちゃくちゃBLなんですよね。
私の恋愛観・先生の恋愛観
こんなに先生に執着している私ですが、そもそもどんな恋愛観を持っているのか?
それが分かるのがこちら。
私は女というものに深い交際(つきあい)をした経験のない迂闊(うかつ)な青年であった。男として私は、異性に対する本能から、憧憬(どうけい)の目的物として常に女を見ていた。けれどもそれは懐かしい春の雲を眺めるような心持で、ただ漠然と夢みていたに過ぎなかった。
どうやら「私」は女性と交際したことのないチェリーボーイということがこの文章から分かります。
しかもそれだけでなく、なんというか「私」は女性をリアルに感じてはいないような気がします。
先生は「私」が女性に対してリアル感をもっていないことを感じていたのでしょう。
先生と「私」が二人で散歩をしている途中、
カップルが多いですね
と言った私に対してこんなことを言います。
「君は恋をしたことがありますか」
私はないと答えた。
「恋をしたくはありませんか」
私は答えなかった。
「したくない事はないでしょう」
「ええ」
「君は今あの男と女を見て、冷評(ひやか)しましたね。あの冷評のうちには君が恋を求めながら相手を得れないという不快の声が交っていましょう」
「そんな風に聞こえましたか」
「聞こえました。恋の満足を味わっている人はもっと暖かい声を出すものです。しかし……、しかし君、恋は罪悪ですよ。解っていますか」
私は急に驚かされた。何とも返事をしなかった。
(中略)
「恋は罪悪ですか」と私がその時突然聞いた。
「罪悪です。たしかに」と答えた時の先生の語気は前と同じように強かった。
「なぜですか」
「なぜだか今に解ります。今にじゃない、もう解っているはずです。あなたの心はとっくの昔からすでに恋で動いているじゃありませんか」
私は一応自分の胸の中を調べて見た。けれどもそこは案外に空虚であった。思いあたるようなものは何もなかった。
「私の胸の中にこれという目的物は一つもありません。私は先生に何も隠してはいないつもりです」
「目的物がないから動くのです。あれば落ち付けるだろうと思って動きたくなるのです」
「今それほど動いちゃいません」
「あなたは物足りない結果私の所に動いて来たじゃありませんか」
「それはそうかも知れません。しかしそれは恋とは違います」
「恋に上る楷段(かいだん)なんです。異性と抱き合う順序として、まず同性の私の所へ動いて来たのです」
「私には二つのものが全く性質を異(こと)にしているように思われます」
「いや同じです。私は男としてどうしてもあなたに満足を与えられない人間なのです。それから、ある特別の事情があって、なおさらあなたに満足を与えられないでいるのです。私は実際お気の毒に思っています。あなたが私からよそへ動いて行くのは仕方がない。私はむしろそれを希望しているのです。しかし…」
私は急に悲しくなった。
「私が先生から離れて行くようにお思いになれば仕方がありませんが、私にそんな気の起った事はまだありません」
なんだこの文章!!!!!(魂の叫び)
いや、長文すぎる引用文で申し訳ないなと思いつつも、全文載せたいと思ったので引用しました。ごめんなさい。
えっ、ちょっ先生の恋愛観は一体どうなっているんだ!?
【異性と抱き合う順序として、まず同性の私の所へ動いて来た】って何!?
だから私はすでに恋で動いているってどういうこと!?
もうマジで教えてほしいよ、夏目先生!!!
そしてそれをきっぱりと否定する私、なんて男前なんだ。
結局、先生は
私なんかよりもっと他に良い人が…
的なこと言うでしょ。
そんで私が
「絶対に君から離れて行かないよ」
って言うんでしょ。
なんだよ、バカップルかよ!!ごちそうさまです!!!
私の家族に理解されない先生
私は『中 両親と私』の中において、私の家族に先生のことを話す描写が見られます。
けれど、ことごとく私の家族は先生について理解してくれません。
まずは「私」の父親です。
「その先生は何をしているのかい」と父が聞いた。
「何もしてないんです」と私が答えた。
私はとくの昔から先生の何もしていないという事を父にも母にも告げたつもりでいた。そうして父はたしかにそれを記憶しているはずであった。
「何もしていないとは、またどういう訳かね。お前がそれほど尊敬するくらいな人なら何かやっていそうなものだがね」
父はこういって、私を諷(ふう)した。父の考えでは、役に立つものは世の中へ出て、相当の地位を得て働いている。畢竟(ひっきょう)やくざだから遊んでいるのだと結論しているらしかった。
そうです、悲しいかな先生はニートなのです。
私にとっては賢くて、唯一無二の尊敬すべき存在である先生ですが、家族は先生を認めてはくれません。
それに対して私が内心凄い悪態をついています。
それが分かるのが、お兄さんとのやり取りです。
「先生先生というのは一体誰の事だい」と兄が聞いた。
「こないだ話したじゃないか」と私は答えた。私は自分で質問をしておきながら、すぐ他(ひと)の説明を忘れてしまう兄に対して不快の念を起した。
「聞いた事は聞いたけれども」
兄は必竟(ひっきょう)聞いても解らないというのであった。私から見ればなにも無理に先生を兄に理解してもらう必要はなかった。けれども腹は立った。また例の兄らしい所が出て来たと思った。
先生先生と私が尊敬する以上、その人は必ず著名の士でなくてはならないように兄は考えていた。少なくとも大学の教授ぐらいだろうと推察していた。名もない人、何もしていない人、それがどこに価値をもっているだろう。兄の腹はこの点において、父と全く同じものであった。けれども父が何もできないから遊んでいるのだと速断するのに引きかえて、兄は何かやれる能力があるのに、ぶらぶらしているのは詰(つ)まらん人間に限るといった風(ふう)の口吻(こうふん)を洩もらした。
「イゴイストはいけないね。何もしないで生きていようというのは横着な了簡(りょうけん)だからね。人は自分のもっている才能をできるだけ働かせなくっちゃ嘘だ」
私は兄に向かって、自分の使っているイゴイストという言葉の意味がよく解るかと聞き返してやりたかった。
私が兄に対してブチギレてますね。
特に最後の【私は兄に向かって、自分の使っているイゴイストという言葉の意味がよく解るかと聞き返してやりたかった。】の一文は最高です。
大好きな先生が悪く言われて私がイライラしている様子がよく表れているように思います。
まぁ私の家族の反応も当然っちゃ当然と言いますか…。
なんというか夢見るバンドマンと結婚すると言い出した娘に対する反応ですね。
もはや先生は夢すら見てないからそれよりもなお悪いかもしれませんね。
けれど、私にとっては家族に理解されなくても(もはや世界中の誰一人として理解されなくても)先生を尊敬することは止めないのです。
心を開きだす先生
これまでは私がひたすら先生にアプローチ(?)をする描写ばかりご紹介してきましたが、その私による熱烈アプローチの甲斐があったのか、先生も心を開きだしました。
「あなたは本当に真面目なんですか」と先生が念を押した。「私は過去の因果で、人を疑りつけている。だから実はあなたも疑っている。しかしどうもあなただけは疑りたくない。あなたは疑るのにあまりに単純すぎるようだ。私は死ぬ前にたった一人で好(よ)いから、他(ひと)を信用して死にたいと思っている。あなたはそのたった一人になれますか。なってくれますか。あなたははらの底から真面目ですか」
「もし私の命が真面目なものなら、私の今いった事も真面目です」
私の声は顫(ふる)えた。
「よろしい」と先生は言った。
冷静に考えて、実は先生は凄いことを言っていると思うんですよね。
全人類で唯一信用している人が「私」だ
って言っているようなものですからね。
なれますか。から、なってくれますか。って言い換えてますからね。
それを受け入れる私…。
なんて素敵な世界なんだ。
そして遺書の冒頭にも先生の私に対する想いは綴られています。
実際ここにあなたという一人の男が存在していないならば、私の過去はついに私の過去で、間接にも他人の知識にはならないで済んだでしょう。私は何千万といる日本人のうちで、ただあなただけに、私の過去を物語りたいのです。
こんなことを書いているけれど、私は先生の過去よりも何よりも、先生が生きているのか死んでいるのか、それだけが気がかりなんです。
先生の過去なんてもはや、私にとってはどうでもいいって思っているのです。
遺書の中でデレられても結局シリアスにしかならないのです…。
あなたはK×先生or私×先生?
以上が腐女子歴十数年の筆者が萌える『こころ』のBLポイントでした。
シリアスBLが好きな腐女子さんには悶えるポイントがいくつもあるのではないでしょうか。
まとめると
- 先生は自殺して天国でKに泣きながら謝罪して、Kにそっと抱きしめられている
→メリバ(メリーバッドエンド)上等、闇の腐女子さん向け - 先生は自殺前に遺書片手に駆けつけてくれた「私」にぎゅっと抱きしめられている
→ハッピーエンド至上主義、光の腐女子さん向け
という感じになると思います。
まぁでも、どちらも本当に読めば読むほどスルメのようにおいしい作品なので、どうぞ皆さん『こころ』をよろしくお願いします!!
夏目漱石が描く『こころ』に興味を持たれた方はどうぞ小説を読んでみて下さい。
Kindle 版だと無料で読むことが出来ますよ!
小説はちょっと…という方は分かりやすい漫画も出版されていますので、よろしければ漫画からでも読んでいただけたらと思います。
人間を信用せず、豊富な知識を持ちながら仕事にも就かず、美しい妻と隠居生活を送る「先生」には、人には言えない暗い過去があった。ある日、「先生」の不思議な魅力に惹かれていた「私」のもとに突然、一通の遺書が届く。遺書が物語る「先生」の壮絶な過去とは?日本文学史に輝く文豪・夏目漱石が人間のエゴイズムに迫った名作を漫画化。
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