『臥薪嘗胆』の由来とは?あらすじを分かり易く簡単に解説!

臥薪嘗胆の画像

日本人にとっては日清戦争後の三国干渉にて使われた言葉として有名な『臥薪嘗胆(がしんしょうたん)』。

この臥薪嘗胆ですが、言葉の由来は古代中国の逸話から生まれています。

一体どんなお話なのか?

それではさっそく見ていきましょう。

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臥薪嘗胆の意味

「臥薪嘗胆」は、復讐を成功するために苦労に耐えることを意味する四字熟語です。

この熟語は、以下の二つの熟語を組み合わせたものです。

  1. 臥薪(がしん):薪の上に寝て、敵の来襲を待つ
  2. 嘗胆(しょうたん):牛の胆の苦味を嘗めて、仇討ちの決意を新たにする

「臥薪」の由来

故事の舞台となったのは、春秋時代の呉(ご)と越(えつ)という二つの王国です。

呉は当時の中国で最も強力な国家の一つであり、越は比較的小さな王国でした。

中国の歴史書である「史記」によると、紀元前6世紀末にの王である闔閭(こうりょ)は前に攻撃を受けた復讐としてに侵攻しますが、敗北

自らも負傷し、そのまま病死してしまいます。

闔閭は後継者である夫差(ふさ)に一つの想いを託します。

帝画像

必ず仇を取って、いつか越を打ち破ってくれ…!

夫差はこう答えます。

茶髪男画像

3年以内に必ず仇を取ります!

こうして夫差はその言葉通り、国の軍備を充実させることに精を出しました。

そして、自らは薪の上で眠り

人々画像

その痛みで屈辱を忘れないようにした

と言われています。

薪の上で臥せる=臥薪です。

そして、まもなく夫差は越に攻め込み、越の王である勾践(こうせん)の軍を破りました。

夫差の復讐が成功した瞬間でした。

「嘗胆」の由来

夫差に攻め込まれた越の勾践は、彼の部下の進言に従って降伏しました。

降伏後の勾践は、夫差の馬小屋の番人をさせられるなどの苦労をさせられました。

金髪男性画像

絶対にこの屈辱を忘れてなるものか…!

勾践は許されて、越に帰ってからも民衆と一緒に富国強兵に励みました。

その一方で、自身は苦い胆(きも)を嘗めることで屈辱を忘れないようにしました。

その頃の呉の王であった夫差は、国力が強力になったことに奢りが見られだしました。

茶髪男画像

中国覇者(はしゃ)になるんだ!

と夫差は覇者を目指し、各国に兵を送り込んで国力を疲弊させた上、長年尽くしてくれていた重臣を処刑してしまったりもしていました。

越が呉にやぶれてから20年。

ついに満を持して勾践は呉に攻め込み、越の大勝利を治めました。

夫差は降伏しようとしましたが、勾践が条件とした王への復帰を認めなかったためにそのまま自殺してしまったようです。

故事の教訓

「臥薪嘗胆」の故事は、以下の教訓を私たちに与えてくれます。

  1. 目標を達成するためには、忍耐と努力が必要である。
  2. 仇敵に打ち勝つためには、戦略と計画が不可欠である。
  3. どんな困難な状況でも、希望を捨ててはならない。

『臥薪嘗胆』の成立

実はこの『臥薪嘗胆』ですが、元々は臥薪と嘗胆は別々の言葉で使用されていたようです。

というのも、紀元前1世紀の書物である「史記」に登場するのは嘗胆のみであり、臥薪と組み合わせた言葉ではなかったのです。

臥薪嘗胆と四字熟語として登場するのは、12~13世紀以降の漢詩の中で出てきたようですね。

元々は別の言葉だった臥薪と嘗胆を一緒にしたことにより、ここまで一般的な言葉に広がったのだと思います。

日本の臥薪嘗胆

日本において『臥薪嘗胆』が注目されるようになったのは三国干渉においてです。

三国干渉とは何か?

お話の舞台は第一次世界大戦です。

日本は中国(当時は清という国でした)との戦争に勝ち、その戦後の講和条約(戦争後に結ぶ仲直りの約束みたいなものです。賠償金などを決めます)の中で、中国から遼東半島(りょうとうはんとう)が貰えることが決まっていました。

しかし、それを良く思わなかった国がありました。

それがロシアです。

茶髪男性画像

えっ、日本が遼東半島占領したら、満州も占領するんじゃね?満州は俺らの不凍港(凍らない港。ロシアは地理的に何が何でも欲しい)のためにも超大切なんだよ。ちょっ、マジで日本撤退しろよ

ロシアはその後、ドイツとフランスを味方につけ、日本に遼東半島の返還を求めます。

  • ロシア
  • ドイツ
  • フランス

の三国が講和条約に干渉してきたから三国干渉です。

もちろん、日本国民はこの三国干渉に反発しました。

しかしながら、当時の日本にこの三国に喧嘩を売れるほどの国力があるはずもなく…。

日本政府は泣く泣く遼東半島を返還しました。

その時の日本政府のスローガンがこの『臥薪嘗胆』だったのです。

よっぽど悔しかったのでしょうね。

この時に、日本国民のロシアへの反発心が強くなったとされています。

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