『ギルガメシュ叙事詩』のあらすじをわかりやすく解説!
メソポタミア時代の英雄ギルガメシュ。
最近ではゲームにも登場し、その名前も有名になっています。
しかし、彼が主人公である古代の物語『ギルガメシュ叙事詩』をご存知な方は少ないのではないでしょうか。
一体ギルガメシュとはどのような人物なのか?
そして、『ギルガメシュ叙事詩』とはどのような物語なのか。
ざっくりとしたあらすじをご紹介できたらと思います。
エンキドゥとの出会いと別れ
『ギルガメシュ叙事詩』において、主人公のギルガメシュと同じくらい重要な人物がいます。
それがギルガメシュの親友かつ戦友であるエンキドゥです。
ウルクの街の王様であり、暴君であったギルガメシュはエンキドゥと出会うことにより、暴君から英雄へと変わっていきます。
ギルガメシュとエンキドゥのお話はこちらの記事で詳しく書かせていただきましたので、よろしければご覧ください。
【ギルガメシュ叙事詩】親友エンキドゥとの出会いと死別
ギルガメシュ叙事詩の中で描かれるギルガメシュと親友エンキドゥとの関係とは? 彼らの出会いから別れまでをストーリーにて紹介!
ギルガメシュはエンキドゥと出会い、様々な冒険をし、市民からの信頼も得ていくことになります。
しかし、そんなエンキドゥが神々の怒りをかってしまい死んでしまうことになります。
このエンキドゥの死が大きくギルガメシュに影響を与えていくことになります。
ギルガメシュ、永遠の命を探し求める
エンキドゥが死んだ後、ギルガメシュは『死』というものを恐れるようになります。
そして、彼は永遠の命を求めるために、旅に出ることを決意します。
ギルガメシュの旅の目的はただ一つ。
永遠の命を手に入れたとされるウトナピシュティムに出会い、どうやったら不死の身体を手に入れることが出来るのかを尋ねるためです。
このウトナピシュティムに出会う前に旅で出会った様々な人から「永遠の命など手に入らない」的なことを言われているのですが、ギルガメシュは止まりません。
そしてついに、彼はウトナピシュティムに出会うことになります。
しかし、永遠の命を手に入れている彼から告げられた言葉は無残にも

神様によって造られた者は絶対に命は定められている
というものでした。
ウトナピシュティムが永遠の命を手に入れられたのは人類を滅ぼす程の大洪水から逃れることが出来たためでした。
この人類を滅ぼす程の大洪水についてのお話はこちらです。
ギルガメシュ叙事詩と聖書の関係?洪水伝説は本当にあった!
人類を襲った洪水を描いていたのは聖書の『ノアの方舟』だけではなかった!? ギルガメシュ叙事詩に描かれた洪水伝説とは?
ウトナピシュティムはギルガメシュに

洪水と同じ期間である六日六晩眠らずにいてみよ
ギルガメシュ、若返りの植物を手に入れる
ウトナピシュティムから不死の秘訣を聞くことができなかったギルガメシュはウルクの街へと帰り支度をしていました。
すると、ウトナピシュティムの妻(彼女もウトナピシュティム同様洪水から逃れられたため永遠の命を所持していました)がギルガメシュにこう言います。

若返りで有名なシーブ・イッサヒル・アメルという植物が海の底に眠っています。よろしければ、そちらを取ってみたらいかがでしょうか?
このウトナピシュティムの妻の言葉を聞いたギルガメシュはさっそく実行します。
まず、彼は自らの足に石の重しをつけました。
そしてその状態で海底を歩きまわったのです。
とても人間技とは思えませんが、ギルガメシュは母親を女神という半分神で半分人間という存在なので成し得たのかもしれません。
そして、ギルガメシュはシーブ・イッサヒル・アメルを無事に手に入れることが出来ました。
しかし、帰還途中の泉で水浴びをしている時に蛇がその植物を取っちゃうんですね。

なんと不憫だ、ギルガメシュ。
結局ギルガメシュは永遠の命も若返りの植物も手にすることはなく、ウルクへ帰還するところまでが物語として描かれているのです。