『イサクの燔祭』とは?イサクの犠牲がなぜ起きたのか解説!

イサクの燔祭の画像

旧約聖書の『創世記』に登場するアブラハムの息子イサクは、何と父であるアブラハムに殺されそうになったことがあります。

ちなみに、アブラハムの生涯をまとめた記事もございますので、

よろしければこちらもご覧いただけたらと思います。

なぜアブラハムは自分の子供イサクを殺そうとしたのでしょうか?

イサクの燔祭(はんさい)とは?

アブラハムとイサクの関係性がとてもよく分かるストーリーとして「イサクの燔祭」と呼ばれる逸話があります。

イサクは神からアブラハムの後継者として神託を受けて誕生しています。

しかし、息子イサクはなんと神がアブラハムの信仰心を試すための試練としても使われているのです。

アブラハム、神の言葉信じる

神は言われました。

神様画像

あなたの子、あなたの愛するひとり子イサクを連れてモリヤの地に行き、我が示す山で彼を燔祭としてささげなさい

普通に考えて神様も無茶苦茶ですよね。

イサクが生まれる前に、

神様画像

イサクこそがアブラハムの後継者だ

的なことを言っておきながら、

神様画像

生まれたら生贄として捧げよ

なんて…。

しかし、信仰心がとてつもなく厚いアブラハムはその言葉を信用します。

つまり、本当に息子を神に捧げようとしちゃうんですよね。

イサク、犠牲を受け入れる

アブラハムに連れられたイサクは戸惑います。

古代の男性画像

お父さん、生贄にする子羊がいないよ

アブラハム画像

大丈夫、焼き尽くす子羊は神様がちゃんと用意してくれるよ

アブラハムはこう言いましたが、

古代の男性画像

自分が生贄に捧げられるんだろうな…

ということをこの時点でイサクは認識していただろうと思われています。

イサクは無抵抗のままアブラハムに縛られ、祭壇の上に載せられます。

古代の男性画像

お父さん…

と呼びかけるイサクの言葉と

アブラハム画像

わたしの子よ…

と応えるアブラハムの言葉。

それらの言葉からは、かえって物語の悲劇性を際立たせていると言えます。

この時の二人の心理状態に関する記載が何もないらしいのですが、凄まじい光景だったと思います。

息子を神の生贄として捧げようとする父親とそれを受け入れている息子。

こんな悲劇あるでしょうか?

天使、アブラハムを止める

神様画像

あなたの子孫はイサクによって伝えられる

という約束と神の命令は明らかに矛盾していました。

それでも、アブラハムはほとんど盲目的に神の言葉に従ったのです。

しかし、結末としてはイサクの上に刃物を振り上げた瞬間、

天使画像

やめなさい、アブラハム

と天使が現れてその行為を止めたそうです。

そして、周囲に雄羊がいたので、アブラハムはそれをイサクの代わりに神に捧げます。

息子を殺そうとした理由

アブラハムはこの「イサクの燔祭」を乗り越えたことにより、模範的な信仰者として讃えられています。

学者画像

アブラハムの信仰心を試すために、神がむちゃぶりなことを言ったのでは?

とも一説には考えられています。

さらに、このような事態になっても動じなかった、アブラハムの偉大な精神性を示すためでもありました。

確かに神の言葉のためなら、自分の子どもすら差し出せるアブラハム。

彼の信仰心だけはどんな人生の岐路においても揺るがなかったように思います。

また、このイサクの燔祭により、人間を神への生贄とすることをタブー視する信仰が生み出され、

人々画像

生贄を悪習としてし排除しなければ!

という生贄防止にも繋がったと言われています。

アブラハムの子どもであるイサクが生まれたのは、母親のサラが90歳の時のことでした。

なぜそんなに高齢出産が出来たのか?

また、女奴隷がイシュマエルを生んでから生まれた母親同士の泥沼な確執とは?

その内容が気になる方はこちらの記事をご覧下さい。

さらに、こちらのお話以外にも旧約聖書に出てくる様々なお話をまとめている記事もありますので、

よろしければこちらもご覧ください。


旧約聖書のあらすじを漫画で分かり易くまとめたものがあります。

イラストで旧約聖書をざっと理解したい方は、

旧約聖書 (まんがで読破) 文庫
「光あれ」神の一言で世界ははじまった。天地創造ののち、神は男女一組の人間を造り上げた。月日は流れ繁栄を極めた人間は次第に神の栄光を忘れ、傲慢になっていく。そして神はついに人間を滅すことを決意する。世界でもっとも多くの人に愛され続み継がれている宗教書・歴史書を漫画化。

こちらの本もぜひ読んでみて下さい。


旧約・新約聖書のあらすじから、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教までを1冊の本でまとめたものがあります。

聖書の基本から発展編まで、さらに深く知りたい方には持って来いの本なので、

この一冊で「聖書」がわかる! Kindle版
世界最大、2000年のベストセラー!地図・絵画も満載!イェルサレムはなぜ三つの宗教の聖地になった?モーゼの「十戒」とは?イエズスの“復活”の真実!「福音書」「黙示録」には何が書かれているのか?人間の「罪」と「愛」とは?イスラム教はどのようにして生まれたか?迫害されたキリスト教がなぜ世界最大の宗教になったのか?すべての疑問に答える最強の入門書!

気になる方は、こちらの本もぜひ読んでみて下さい。


参考:『イサクの燔祭

コメントを投稿 (0)