神戸山口組とは?分裂した理由や歴史などをまとめて解説!

神戸山口組の画像

(参照:Alexander Krivács Schrøder (DarkPhoenix), Public domain, via Wikimedia Commons)

神戸山口組(こうべやまぐちぐみ)は、兵庫県神戸市を本拠地とする悪名高い暴力団である。

2015年8月27日、創設者の井上邦雄によって設立され、兵庫県神戸市中央区二宮町3-10-7に本部を置く。

2022年末時点での会員数は約760人と推定され、同グループは同地域で大きな存在感を示している。

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背景と結成

神戸山口組は、日本で最大かつ最も影響力のある組織的犯罪集団の一つである山口組の六代目から13人のリーダーが離脱して結成された。

かつて山健組の組長であった井上邦雄が率いるこの離脱派は、山口組の中で名古屋を拠点とする弘道会と宅見組の組員への影響力が増し、優遇されていることに不満を抱いていた。

分裂の主な理由のひとつは、神戸側が山口組に支払わなければならなかった月賦が減額されたことだった。

山口組側が265万円の月賦を要求したのに対し、神戸山口組側はわずか10万円に減額した。

加えて、神戸山口組の一部の高級幹部は、時には数千万円にも達する多額の手当を受け取っていた。

この分裂は、両派閥間の一連の暴力的な対立を引き起こし、銃撃や車両攻撃など数々の事件を引き起こした。

2015年から2016年3月6日までに、20都道府県で49件の事件が報告され、警察は2016年3月7日、現在進行中の確執として正式に認定した。

2019年末までに、合計72件の事件が起きている。

神戸山口組の歴史

神戸山口組が結成された正確な時期は明らかではない。

ただ、2014年10月頃、ジャーナリストの溝口敦氏に脱退をほのめかすメンバーがいたことから、計画が動き出したとみられている。

2015年8月26日、井上邦雄ら12人の幹部が正式に山口組を離脱。

翌日に離脱式を行い、井上邦雄を組長とする神戸山口組の結成を発表した。

これに対し、山口組は井上邦雄を含む13人に厳しい処分を科し、井上邦雄は山口組から除名された。

分裂後、神戸山口組は複数の傘下団体や解散した山口組系団体の元組員を吸収。

2015年末には、正会員約2,800人、準会員約3,400人の合計約6,100人の会員数を誇った。

2016年2月、それまで未定だった本部と事務局の設置を発表。

傘下グループの本部に本部事務所を設置した。

2017年4月、神戸山口組内の一部派閥が同組の運営方針に異を唱え、分裂。

彼らは「任侠団グループ」(現・絆会)という新たなグループを結成した。

この分裂によって神戸山口組は弱体化し、組員の減少を招いた。

2019年12月、神戸山口組は山口組とともに6県の公安委員会から特定暴力団に正式に指定された。

指定は2020年1月7日に施行された。

2020年7月までに、井上邦雄が率いる最大かつ最も影響力のある派閥である山健組が離脱し、同組はさらなる挫折に直面した。

この脱退に続き、池田組と正木組の2つの有力派閥が解散したことで、メンバーは急速に減少した。

2021年末までに、グループのメンバーは約1000人にまで減少した。

2022年現在、神戸山口組は正会員約330人、準会員約430人を含む約760人と推定されている。

理念と指針

神戸山口組は、山口組と同様、田岡一雄元組長が制定した「五箇条の御誓文」を遵守している。

それは5つの基本的なルールで構成され、定例会の際に唱和される。

  1. 組織内の調和と団結を尊重する
  2. 他者と接するときは、愛と敬意を示すこと
  3. 適切な上下関係を守り、敬意と礼儀を持って行動する
  4. 個人の誠実さを保ち、グループに恥をかかせないようにする
  5. 過去のリーダーの経験から学び、自己の成長に努める

行動指針

神戸山口組は、組織内の特定の価値観を促進するために、年間指針も設定している。

これらの指針は、組の志を反映し、組員の指針となるものである。

過去の指針の一部は以下の通り。

年度 指針 意味
2018 一燈照隅
(いっとうしょうぐう)
一人一人が一隅を照らし、人々の和を創る
2019 一心一意 心も目的もひとつに
2020 不易流行
(ふえきりゅうこう)
変わらない本質を保ちつつ、新しい変化を受け入れる
2021 金剛不壊 ダイヤモンドのように割れない
2022 刻苦義励 困難にめげず、信念を貫く

組織構成

神戸山口組のリーダー層は、組長、幹部、若頭で構成されている。

組長

井上邦雄: 元山口組副組長、山健組組長を経て、2015年8月の神戸山口組結成時から組長を務める。

執行部メンバー

  • 副組長:小嶋恵介、大阪府中野組出身
  • 副組長:近藤大恵(東京・徳真会出身)、宮下和美(神戸・西脇組出身)
  • 組織委員長:元満志郎(福岡県安倍組)
  • 副組長補佐:藤田恭道(大阪市・英組)

下級組員

神戸山口組には、組織の活動や運営に貢献するさまざまな下級組員がいる。

これらのメンバーには、さまざまな関連団体の出身者や解散した組織の元メンバーが含まれる。

結論

神戸山口組は2015年の結成以来、日本の裏社会で強力な勢力として台頭してきた。

内部対立や会員数の減少に直面しているにもかかわらず、同団体は活動を続け、地域に影響力を及ぼしている。

独自の理念と組織構造を持つ神戸山口組は、日本の複雑な組織犯罪の世界において重要な存在であり続けている。

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