古代マヤ文明は、世界で最も魅力的で謎に満ちた文明の一つです。
この謎めいた文化は、紀元前2000年頃から1697年頃まで中央アメリカで栄え、記念碑的な建築物、洗練された芸術作品、複雑な文字体系などの印象的な遺産を残しました。
マヤの人々は何世紀も前に絶滅してしまったにもかかわらず、その文化と遺産は世界に消えない足跡を残しています。
この記事では、
- 先古典期の出現から後古典期の滅亡まで
- 古代マヤ文明の包括的な概観
をご紹介していきます。
この驚くべき古代文明をより深く理解することができますよ！
{tocify} $title={目次}
マヤ文明とは？
マヤ文明は、紀元前2000年頃から紀元後1600年頃までメソアメリカ（中央アメリカ）に住んでいた人々の集団です。
メソアメリカは、メキシコおよび中央アメリカ北西部とほぼ重複する地域において、共通的な特徴をもった農耕民文化ないし様々な高度文明（マヤ、テオティワカン、アステカなど）が繁栄した文化領域を指します。{alertInfo}
マヤ文明の特徴を簡単にまとめると以下になります。
- 寺院を建設
- 文字体系と芸術の発展
- 複雑なカレンダーと天文学のシステムを持つ
- 農業、芸術、都市建設に長ける
彼らは異なる文化や言語を持っていましたが、全て同じ場所に住んでいました。
そして、1人の大きなリーダを持つことはなく、多くの小さなグループから構成されていたのです。
また、彼らは石器時代の技術を使用し、強力な神々を信じていました。
さらに、オルメカ文明やアステカ文明のような他の文化との関係を持っていました。
マヤ文明の歴史
マヤ文明は、以下のような広い領土を占めていた古代文明です。
- メキシコ南東部
- 中央アメリカ北部
- ホンジュラスの一部
- エルサルバドル
そして、以下の3つの期間を持っていました。
- 前古典期（紀元前2000年頃～西暦250年）
- 古典期（250～900年）
- 後古典期（950～1539年）
先古典期
マヤは、はるか昔の先古典期に最初の文明を築きました。
先古典期の特徴としては、以下のようなものです。
- 都市を建設
- ナクベやエル・ミラドール都市の存在
- 陶器を使い土偶を焼く
- 特別な文字で書く
この文明は紀元1世紀に崩壊しましたが、その理由はまだわかっていません。
古典期
古典期は、マヤの人々が多くのモニュメントや寺院を建設し、芸術や文字で非常に創造的な時代でした。
大規模な人口の多くの都市がマヤにはありました。
その中でメキシコの都市テオティワカンは、マヤの人々に多くの影響を与えました。
そして、最も強力な都市の2つはティカルとカラクムルで、お互いライバル関係でした。
また、彼らは多くの同盟国や家臣を持っていました。
マヤ文明は、以下の要因が重なり崩壊したと言われています。
- 戦争
- 人口過剰
- 干ばつ
これは、王朝の終わりとマヤ地域の都市の放棄に繋がりました。
- ユカタン半島北部：人々は都市に住み続ける
- 南部と中央部の都市：ほとんど放棄される
ユカタン半島はメキシコ、グアテマラ、ベリーズの3国にまたがり、メキシコ湾とカリブ海との間に突き出ている半島です。{alertInfo}
とそれぞれの地域でこのような差があります。
後古典期
後古典期（950〜1539年頃）には、まだマヤの人々が住んでいました。
彼らは湖や海の近くの場所に移動し、いくつかの都市はその付近に建てられていました。
そして、人々は新しい貿易網を作り、いくつかの都市はより安全な場所に移動されました。
チチェン・イッツァとマヤパンの都市は非常に重要であり、キチェ族はグアテマラ高地に小さな王国を持っていました。
1500年代には、まだ多くの都市と人々がマヤの地域に住んでいました。
スペインの征服
1511年にスペイン人がカリブ海を探検し、最終的にユカタン半島とそこに住むマヤ族を征服しました。
彼らはマヤと戦い、最終的に彼らの都市と土地を征服したのです。
この戦いは1697年まで続き、最後の独立したマヤの都市はスペインに陥落しました。
マヤ文化の存続
マヤの人々は、スペイン人がそれを奪おうとしていたにも関わらず、自分たちの文化を守り続けてきました。
- マヤの食品を食べる
- マヤの工芸品を行う
- 地元の市場に行く
- 自分たちの言語を話す
スペイン人が違うことをさせようとしても、マヤの人たちは自分たちの文化を守り続けてきたのです。
マヤ文明の調査
科学者たちは、長年にわたってマヤ文明を研究してきました。
1960年代、科学者はマヤが平和な人々であると考えました。
しかし、より最近の発見はマヤが実際に戦士であったことが分かっています。
マヤ文明の暮らし
マヤの社会はエリートと平民の2つのグループに分けられました。
- エリート：高位の司祭や官吏、商人、兵士
- 平民：農民、使用人、労働者、奴隷
土地は貴族や一族が共同で保有していました。
マヤの世界では、王が土地を治め、神々と特別な関係を持っていたのです。
彼らは宮廷で最も重要な人物であり、たいていは長男が王の死後、その跡を継ぎました。
王は特別な儀式を行い、その力を示すためにヘッドバンドのような特別なアイテムを与えられます。
宮廷には他に以下のような人々がいました。
- 書記
- 戦士
- 神官
彼らは王への忠誠心を示すために、特別な踊りを披露したり、生け贄を捧げたりしなければなりませんでした。
平民は、マヤ社会のほとんどを占めていました。
彼らは持続性のない、簡単に見ることができない材料で作られた家に住んでいました。
平民の仕事は以下の通り。
- 農業
- 物作り
- 狩猟
また、彼らはエリートに税金を払い、一生懸命働けば成り上がれる可能性もありました。
マヤ文明の戦争
マヤの人々は、以下のようなさまざまな理由で戦争をすることが知られていました。
- 貿易ルートの支配や貢ぎ物
- 捕虜を捕らえるための襲撃
- 時には敵国を完全に破壊することも
彼らには特別な戦士と指導者がいて、戦いを追跡し、敗北した支配者を犠牲にしました。
戦争の結果は様々ですが、
- 捕虜の獲得
- 貢物の支払い
- 完全な破壊
が含まれることが多かったようです。
マヤの戦士は、人々と国を守る勇敢な戦闘機でした。
彼らは一生懸命訓練し、必要な時に戦うために呼ばれていました。
女性は時々、戦争の間にサポートの役割を果たしました。
マヤの戦争や狩猟の時に使われていた武器は以下の通りです。
- 槍
- 吹き矢
- 弓と矢
- 剣
槍はアトラトルと呼ばれる棒で投げて、より遠くへよりまっすぐ飛ぶようにしました。
戦士はキルト綿で作られた鎧を身につけ、盾を持ちました。
マヤ文明の経済
マヤは、メソアメリカの他の文明と商品やアイデアを交換しました。
- 綿
- 塩
- 黒曜石
のような貿易財へのアクセスを彼らは制御する都市を持っていました。
なので、スペインに征服された後も、彼らはメソアメリカ全域で商品、人、アイデアを移動させることができたのです。
マヤは商人で、カカオをお金として使い、品物を売買していました。
中には裕福な人もいて、派手な服を着ていました。
移動する際はカヌーを使ったり、背中に物を乗せたりしていました。
また、旅を守ってくれる特別な神々もいました。
マヤの都市には市場があり、人々は食べ物やその他のものを売っていました。
スペイン人が到着した時、
マヤの都市は多くの人々が売買する大きな市場があるな
ということを発見していました。
市場はマヤにとって重要であり、彼らの都市を繁栄させるのに役立ったのです。
マヤ文明の建築
マヤ人は多くの構造物を構築する熟練した建築家でした。
彼らの建物は石としっくいで作られ、建物を構築するために多くの人々を必要としました。
大きな建物を建てるには数ヶ月かかり、さらに大きな都市を建てるには数百万人の人手が必要でした。
マヤの都市は、支配階級のエリートが権力を誇示できるような美しい場所になるように設計されていました。
都市に住む人々は広場に集まり、公的な活動や儀式を行ったのです。
エリートは儀式の中心地の近くに住み、平民は遠く離れた場所に住んでいました。
ピラミッドや神殿は、神々や強力な先祖を称えるために建てられました。
言語・文字・識字率
マヤは、紀元前2000年以前は一つの言語を話していた古代人です。
時間が経つにつれて、この言語は多くの異なる形式に分割されました。
最終的に、マヤ人が話す言語は30を超えました。
マヤは800以上の字体を持つ象形文字を使って文字を書き、メソアメリカで唯一解読された文字体系となります。
マヤは非常に高度な文字体系を持っていました。
彼らはグリフと呼ばれる記号を使って、石や陶器に文字を書きました。
グリフの特徴をまとめると以下になります。
- 小さな絵のようなもので、それを組み合わせて単語やフレーズを作る
- 本を読むように、左から右、上から下へと読む
- それぞれのグリフに主符号とより多くの情報を与える副符号がある
また、コーディスと呼ばれる書物も書きました。
残念ながら、これらの書物の多くは破壊されてしまいました。
しかし、4つの写本は保存されており、私たちはこれらの書物からマヤについて多くを学ぶことができます。
書記はマヤの社会で重要な役割を果たしました。
平民はほとんど読み書きができなかったので、書記は彼らのために重要なことを書き留めました。
書記は通常、上流階級出身で、一部は書き方を学ぶために特別な学校に通っていたと推測されます。
数学・カレンダー・天文学
マヤには、点と棒を使って数字を表す特別な数え方がありました。
彼らは、0（ゼロ）の記号を使用した最初の人々でさえありました。
これは非常に高度なシステムであり、非常に大きな数を記録するために使用できました。
また、2番目の列に点と棒を足し、3 番目の列に答えを書くことで、簡単な足し算をすることができたのです。
惑星などを追跡するためにマヤは非常に正確なカレンダーを開発しました。
それは彼らの宗教的実践にとって重要であり、
- 繰り返さないロングカウントカレンダー
- 3つの連動サイクル
を組み合わせました。
- 1日
- 1年
- 52年
のように各サイクルは時間の異なる長さを測定したのです。
マヤはこのカレンダーを、自然界の出来事を予測したり、特別な日を祝ったりするのに使いました。
マヤは星や惑星を研究し、その情報を使って未来を予言しました。
様々な星の動きを追跡し、
- いつ作物を植えるか？
- いつ戦争に行くべきか？
を知るのに役立てました。
また、日食がいつ起こるかも知っていました。
日食が起こると、彼らは特別な儀式を行い、世界が傷つくことがないようにしたのです。
マヤ文明の宗教と神話
マヤには多くの神々や超自然的な力があり、彼らは世界を支配していると信じていました。
彼らは神々に敬意を示すために特別な儀式を行っていました。
司祭は人々が神々と通信するのを助ける役目です。
マヤはまた、祖先への特別な供物で彼らの死体を埋葬しました。
人間の犠牲は彼らが幸運を持つことができるように、神を喜ばせるために必要である
とマヤの人々は信じていました。
戦争の捕虜、高い地位の人々、そして時には自分たちの王を犠牲にしたのです。
生贄となる人物の首を切り落としたり、拷問したり、焼いたり、心臓を取り出したりしました。
マヤの人々は、多くの神々、超自然的な霊と特別な力を信じていました。
神々にはさまざまな役割があり、その振る舞いは星や惑星によって変化する
と信じていたのです。
マヤには以下のような神々がいました。
- 創造神
- 太陽神
- 月の女神
- トウモロコシの神
- 英雄の双子
「ポポル・ブフ」という古い書物には、これらの神々と「英雄の双子」の物語が記されています。
マヤはまた、ユカタン半島とグアテマラ高地に広がる羽毛のある蛇の神も信じていました。
有名なマヤ遺跡
マヤは中央アメリカの古代文明です。
5つの国にわたって何百もの素晴らしい遺跡を構築しました。
- ベリーズ
- エルサルバドル
- グアテマラ
- ホンジュラス
- メキシコ
これらの遺跡には、特別な建築物や彫刻があります。
最も有名な遺跡は以下となっています。
- チチェン・イッツァ
- パレンケ
- ウシュマル
- ティカル
これらの遺跡はとても特別で、マヤの人々が大昔にどのように生活していたかを教えてくれます。