日本のバレンタインデーのチョコ文化はいつから始まったの?

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バレンタインデーになると、

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あぁ、そろそろバレンタインチョコレートを用意しなしと!

という日本人女子も多いでしょう。

そもそも、なぜバレンタインデーに日本では女子から男子にチョコレートをあげることになったのでしょうか?

バレンタインの意味って?

世界各地では、カップルの愛の誓いの日としてバレンタインデーを祝います。

元々は、ローマ皇帝の迫害下で亡くなった聖ウァレンティヌスに由来する記念日でした。

聖ウァレンティヌスについてさらに詳しく知りたい方は、

こちらの記事も併せてお読み下さい。

かつてこの記念日は、主にローマ・カトリック教会の地域で伝えられていました。

日本のバレンタインデーはいつから?

日本では、1958年頃からバレンタインは流行しました。

ただし、バレンタインは日本独自の発展を遂げて行くのです。

第二次世界大戦後まもなくして、流通・製菓業界によって

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バレンタインデーを販売促進のために何とか売り込もう!

と試みられたのですが、日本社会にきちんと定着したのは1970年代後半でした。

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女性が男性に愛情いっぱいのチョコレートを贈る日ですよ!

という日本型バレンタインデーが成立したのもこの頃でした。

日本のバレンタインデー文化に関してさらに研究されるべきですが、まとまった研究結果がないのが現状です。

なので、はっきりと日本のバレンタインデーがいつ始まったのか正確には分かっていません。

ですが、ここからは日本のバレンタインデーの起源説をいくつかご紹介して行きます。

モロゾフ説

製菓会社メリーチョコレートカムパニーの原邦生(はらくにお)が1958年に、

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バレンタインデーにチョコレートを渡すのが良いんじゃない?

と最初に考え実践したとされています。

しかし、その20年以上前(1936年)に神戸のモロゾフ製菓が、外国人向け英字新聞に、

あなたのバレンタイン(=愛しい方)にチョコレートを贈りましょう

というコピー広告を既に掲載していたので、

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モロゾフ製菓がバレンタインチョコを最初に考えたのでは?

という説が最も有力です。

さらに、1992年に聖バレンタインが亡くなったイタリアから神戸市に愛の像が贈られています。

これは神戸が日本のバレンタインデーの発祥の地と分かったから贈られたのだそうです。

伊勢丹説

1960年に森永製菓が、

愛する人にチョコレートを贈りましょう

と新聞広告を出し、さらに伊勢丹が1965年にバレンタインデーフェアを開催しました。

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これらの動きが日本のバレンタインデー普及のきっかけとなったのでは?

という説があります。

しかし、「バレンタインデー」という文字のある広告は1960年以前にも出されており、デパート業界では伊勢丹が最初という訳ではないようです。

ソニープラザ説

ソニー創業者の盛田昭夫(もりた あきお)は1968年に、

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ふむ、関連会社のソニープラザがみんなにチョコレートを贈ってみよう!

と試みたこともあって、

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日本のバレンタインデーはうちが作った

としています。

ただ、この試行もすぐに反響があった訳ではありません。

また、商品もあまり売れませんでした。

こういった説がありますが、バレンタインデーが日本社会に普及した後に、自社宣伝のための誇張した主張も含まれていると思われます。

1950年代にはまだ、

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バレンタインデーに贈るものはチョコレート

とする意識はありませんでした。

当時のバレンタインデーの新聞広告によると、お勧めの贈り物にチョコレートはまだ登場していませんでした。

森永製菓の広告ですら、チョコレートは贈り物のおまけとして位置付けられていました。

バレンタインデーの起源の一つされる1960年の森永製菓の新聞広告には、

チョコレートを添えて(手紙などを)贈る日

と書かれており、バレンタインデーに贈り物を贈るのが女性とは限定されていませんでした。

ただし、「愛の日」という点は強調されていました。

当時は見合い結婚が多く、恋愛結婚は圧倒的に少数でした。

しかも、結婚前提のない恋愛や未婚の未成年者(19歳以下)は想定外でした。

このような状況だったので、日本の製造販売業者がバレンタインデーを普及しようとしても、バレンタインチョコレートの売り上げは大きく伸びなかったのです。

バレンタインデーチョコの起源

1968年をピークにバレンタインデーの客足は減り、

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日本での定着は、やはり難しいのでは?

という見方もありました。

しかし、1970年代前半のオイルショック高度経済成長の終焉の頃に、ようやくチョコレートの売り上げが急増しました。

この売り上げが伸びた理由には、オイルショックにより不況となった小売業界が

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このままではヤバイ…!もっと売らねば!!

とより積極的にマーケティングを行ったとされています。

また、1970年代の日本ではすでに資本主義がほぼ完成しており、成熟した消費社会となったことも大きな理由の一つです。

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やっぱり、バレンタインデーにはチョコレートを贈るべきっしょ!

という考え方は、小学校高学年から高校生までに広がりました。

1970年代後半頃にようやく、

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す、好きです…!!

と恋する女子が、意中の男子に愛情を込めて本命チョコを贈るという「日本型バレンタインデー」が日本社会に定着します。

そして、1980年代後半頃には夫や父親などにバレンタインチョコレートを贈る主婦層も増えて行きます。

義理チョコとホワイトデーの登場

1980年前半にはさらに日本独自の習慣が芽生えます。

それがホワイトデーと義理チョコです。

ホワイトデーの起源については、

こちらの記事に詳しく書かれているので良ければお読み下さい。

日本のチョコレートの年間消費量の2割程度が2月14日に消費されると言われるほど、日本でバレンタインデーは国民的人気行事となりました。

さらに、2000年代以降は多様化して行きます。

女性が男性に

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す、好きです…、付き合って下さい!!

という愛の告白と同時にバレンタインチョコレートを渡す以外にも、

  • 既に交際中の恋人
  • 結婚している夫婦
  • 子供同士

などでもチョコを渡す機会が増えました。

また、憧れの男性や女性に贈ったり、ただの上司、同僚、友人などの恋愛感情がない相手にもバレンタインチョコレートを渡す「義理チョコ」が流行ります。

しかし、義理チョコは1990年代後半以降にだんだんと人気が廃れて行きます。

友・逆・自分・強敵(とも)チョコ

女性が女性へチョコレートを贈る「友チョコ」の動きが2000年代初旬より広まります。

この動きがバレンタインチョコレート商戦の支えともなり、特に2000年代後半以降は友チョコの市場規模は拡大して来ています。

この背景には、

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バレンタインチョコレートの売り上げが落ちている…!

というチョコレート関連企業の危機感が影響を与えています。

この不安感により、特に友チョコ重視のキャンペーンを行いました。

また、欧米諸国では当たり前でも日本では一般的ではない、男性が女性にチョコレートを贈る「逆チョコ」といった様々なキャンペーン展開で、チョコレートの消費活動を促しています。

特に、森永製菓は逆チョコ使用の「逆ダース」を期間限定発売するなど頑張ってるみたいですね。

この時期はチョコレート販売の盛り上がり商品の種類も多様化するため、

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試食はないかなぁ

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このチョコ珍しい!自分用に買おうかなぁ

とかとか、輸入品や高級品のような珍しいものを自分のために買い求める「自分チョコ」を行う者も2000年代以降に増えています。

さらに、2010年代では男友達同士で贈り合う「強敵(とも)チョコ」も増えて来ています。

バレンタインデーの意識調査

このような日本独特の習慣に、日本人自身はどのように思っているのでしょうか?

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ホワイトデーのお返しが、経済的負担なんだよなぁ…

とこの義務的なイベントに対して不快感を抱いている男性が多いようです。

既婚者の男性でも、他の女性にプレゼントすることを強要されていて、

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その分のお金があれば、妻や子供にもっとサービス出来たのに…!!

と考えている男性にとっても人気がありません。

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こういった職場内におけるバレンタインデー関連の強要は、一種のセクシュアルハラスメントである

と判断する専門家もいるほどです。

一方、女性側は

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楽しいから良いんじゃない?コミュニケーションにも繋がるしね♪

とポジティブなイメージを持っている人が大半でした。

しかし、会社員女性は

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会社内での義理チョコのやり取りとか、ない方が良いでしょ

と答えた人が圧倒的に多く、女性の年齢が上がるほどネガティブになる傾向があったようです。

2018年の日本経済新聞に、

日本は、義理チョコをやめよう

と全面広告が掲載されました。

本来バレンタインデーは、ささやかな幸せを楽しむイベントです。

それとは裏腹に、だんだんと義務化している日本のバレンタインデー。

そんなバレンタインに対しての危機感を、この広告では知らせてくれているのではないでしょうか?

日本以外のバレンタインデーの過ごし方について詳しく知りたい方は、

こちらの記事も参考にしてみて下さい。


参考:『バレンタインデー