ゾロアスター教とは?4つの特徴について分かりやすく解説!

ゾロアスター教画像

世界は混沌としていて、恐ろしい場所のように感じられるかもしれません。

人々は、日常生活のありふれた心配事よりも大きな何かを切望しています。

なぜここにいるのか、どこへ行くのか、そしてそれが何を意味するのか、といった大きな疑問に対する答えを求めるのです。

ゾロアスター教について噂を聞いたことがある人も、この古代の信仰について全く知らない人も、不思議に思っているかもしれませんね。

ゾロアスター教とは何なのか?

ゾロアスター教はどこから来たのか?

これらの疑問やその他の疑問は、ゾロアスター教に関するこの記事で解消されるでしょう。

ゾロアスター教とは?

ゾロアスター教は世界で最も古い宗教の一つです。

その名前は、この宗教の創始者とされるゾロアスターに由来しています。

ゾロアスター教はかつてペルシャの国教でした。

現在、世界中に約10万人のゾロアスター教徒がいると言われています。

ゾロアスター教の信者は、アフラ・マズダーという一人の神を信仰しています。

この名前は「賢い神」を意味し、

  • アフラ:天空
  • マズダー:

を指す言葉であり、アフラ・マズダーは太陽神ともされています。

ゾロアスター教は多神教です。

善悪二元論を特徴としますが、善の勝利と優位が確定されています。

ゾロアスターの教えがどのようなものだったのか、聖典『アヴェスター』が極めて難解なことから、今日では正確には分かっていません。

ゾロアスター教の信仰

ゾロアスター教の中心的な信念は、2つの対立する力の間の戦いが存在することです。

1つは、至高神アフラ・マズダーを率いるスプンタ・マンユが代表するもの。

もう一つは、アンラ・マンユと呼ばれる悪霊に代表されるものです。

両者がお互いの存在に気付いた時、

  • アフラ・マズダー:生命・真理
  • アンラ・マンユ:死・虚偽

をそれぞれ選びました。

アフラ・マズダー画像

やはり、戦いは避けられないのか…

とアフラ・マズダーは悟り、戦いの場と世界を創造しました。

一方、アンラ・マンユは以下のような攻撃を加えました。

  • 大地を砂漠にする
  • 大海を塩水にする
  • 植物を枯らす
  • 人間や動物を殺す
  • 火を汚す

しかし、アフラ・マズダーは不断の努力でアンラ・マンユのまき散らす衰亡・邪悪・汚染などの害悪を、善きものに変えていったのです。

ゾロアスター教の教義

ゾロアスター教で最重要の儀式とされるのが「感謝の儀式」です。

この儀式は、物質界・精神界に平和と秩序をもたらすと考えられています。

ゾロアスター教徒は、この儀式に参加することで生きていることの感謝の意を表し、儀式の中でも感謝の念を捧げるのです。

7歳から12歳ころまでにかけてゾロアスター教入信の儀式は行われます。

ゾロアスター教の礼拝は、「拝火神殿」と呼ばれる礼拝所で行われます。

神殿は信者以外は立入禁止で、信者は礼拝所に入る前、手・顔を清め、祈りの儀式を行います。

その後に履物を脱いで建物に入り聖火の前に進んで、その灰を自分の顔に塗って聖なる火に対して礼拝を捧げるのです。

ゾロアスター教の葬送は、今日では珍しい鳥葬・風葬です。

この葬送は、遺体を埋納せず野原などに放置し、風化ないし、鳥がついばむなど自然に任せるもので、そのための施設が設けられることもあります。

ゾロアスター教の聖典『アヴェスター』では、自分の親・子・兄弟姉妹と交わる最近親婚を最大の善徳と説きました。

ゾロアスター教の影響下にあった古代ペルシャでは、王族、僧侶、平民など階級の区別なく親子・兄弟姉妹間の近親婚が行われていました。

開祖ゾロアスターとは?

ゾロアスター教の開祖ゾロアスターやゾロアスター教の成立に関しては、不明な部分が少なくありません。

ゾロアスターの誕生地は諸説あり、活動時期には以下の説があります。

  • 紀元前1,000年以前
  • 紀元前1,000年から紀元前6世紀

彼は原イラン多神教を改革し、倫理的要素を加えた二元論・終末論を軸とする新宗教(原ゾロアスター教)を創設しました。

かつて神官一家に生まれたゾロアスターは20歳で放浪の旅に出ました。

彼は唯一神アフラ・マズダーの啓示を伝える使者を名乗り、

ゾロアスター画像

この世界は善悪二神の争いの場である

と人々に説いたのです。

ゾロアスター教発祥の地と信じられているアフガニスタン北部の古代バルフに、ゾロアスターが埋葬されたと伝えられています。

そして、この地はゾロアスター教徒から神聖視されてきました。

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