クリスマス・イブの夜になると子ども達が待ち望んでいる一人のおじさんがいます。
そう、それがサンタクロースです!
子ども達にプレゼントと夢を与えるサンタクロースですが、実はモデルがいることをご存知でしょうか?
サンタクロースのモデルとなったニコラオスについてご紹介します。
ニコラオスってそもそも誰?
ニコラオスはキリスト教の主教(司教)であり神学者です。
このニコラオスという表現はギリシア語での呼び名で、英語ではニコラスと呼ばれています。
正教会での正式名称は「ミラ・リキヤの大主教奇蹟者聖ニコライ」(日本ハリストス正教会発行の正教会暦より)で、様々な人から篤く信仰されている人物です。
主教だった叔父のニコラオス(なんと叔父さんと同じ名前だったようです)のすすめにより、幼いころから教会に従事していました。
そしてサンタクロースのモデルになったニコラオスは様々な伝説を残していくのです。
ニコラオス伝説について
まず最初にニコラオスが聖地エルサレムに向かう途中、船から落ちて死んだ船乗りを甦らせたという逸話があります。
これが本当だったらまさに奇蹟ですね。
さらに勤勉だったニコラオスは大主教へと出世し、ますます人々のために勤勉に務めていました。
しかし、そんなニコラオスですが大ピンチがやってきます。
それがディオクレティアヌス帝およびガレリウス帝によるキリスト教への迫害です。
ニコラオスはこの迫害を恐れず、なおも伝道をしていたため捕まってしまいました。
獄中であってもニコラオスは共に捕えられた囚人を励まし続けました。
まさにこれぞ聖人という人です。
そして、コンスタンティヌス帝の即位と共に迫害が止み、ニコラオスは無事に大主教に復職しましたが、その後も彼は冤罪の人々を救ったりして人々の信仰を集めていました。
サンタクロースの起源や由来
では、そんなニコラウスがなぜサンタクロースのモデルと言われているのか。
有名な伝説を一つご紹介します。
ニコラウスが大主教になる前の司祭だった頃のお話です。
ニコラウスはある日、財産を失い貧しくなったために三人の娘を売春させなければならなくなった商人の存在を知りました。
このまま娘を売春させてはいけない。何か出来ないだろうか?
そう考えたニコラウスは夜中、商人の家の窓(もしくは煙突とも言われています)から密かに多額のお金を投げ入れました。
一度だけではなく、二度もニコラウスはそれを行ったのです。
娘たちの父親はそれをとても喜びました。
そのお金のおかげで娘たちは身売りをしなくてすんだからです。
そして父親は思いました。
一体誰がお金をくださっているのだろう。どれ、一度見張ってみよう
すると夜中に三度目のお金を投げ入れようとしているニコラオスを発見します。
あなたでしたか!ニコラウス様!本当にありがとうございます!
父親はニコラウスの足元にひれ伏して涙を流しながら感謝をしたと言います。
またニコラウスが窓から金貨を投げ入れた際に暖炉にかかっていた靴下にその金貨が入ったとの伝説もあります。
こうしてクリスマスには「夜中に家の中に入って、靴下の中にプレゼントを入れる」という現在にまでいたるサンタクロース伝承が始まったのです。
サンタクロースの世界での違い
現在、日本にもクリスマス文化は根付き、多くの子どものいる家庭にサンタクロースはやって来ていると思います。
しかし、世界には様々なサンタクロースがいるようです。
例えば、オランダではクリスマスが1シーズンに2回あり、
- 12月6日の「聖ニコラスの日」の前日
- 25日のクリスマス
とプレゼントがもらえるのは2回もあるようです。
羨ましいですね。
また、南半球に位置するオーストラリアではクリスマスは夏にやって来ます。
そのことから、サンタクロースはトナカイと一緒にそりでやってくるのではなく、サーフボードでサーフィンをしながらやってくるとされています。
そんなサンタクロースがやって来るクリスマスの日についてさらに詳しく知りたい方は、
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世界中で広がるサンタクロースは様々ですが、その起源は一人の人々を思いやれる聖職者から始まったことを忘れないようにしたいですね。