ギリシャ神話の『プロメテウスの火』が意味したものとは?
ディズニーシーの中心にある時々噴火する山の名前はプロメテウス火山。
プロメーテウス(プロメテウス)はギリシャ神話の神で、人間に火をもたらした神で有名です。
プロメテウス火山ならぬ『プロメテウスの火』の物語はとてもギリシャ神話の中で有名です。
プロメーテウスはどのようにして人間に火を与えたのか、さっそく見ていきましょう。
人間を贔屓するプロメーテウス
ゼウスが人間と神々をどのようにして区別をしようかと悩んでいる時、プロメーテウスはその役を自分に任せて欲しいと名乗りをあげました。
よし、じゃあ頼んだぞ。プロメーテウス

お任せください!
そして、プロメーテウスは大きな牛を殺して二つに分け、一方は肉と内臓を皮で包み、もう一方は骨の周りに脂身を巻きつけて如何にも美味しそうに見せかけました。

どうぞゼウス様。お先にお好きな方をお選びください。残った方を人間の取り分とします
プロメーテウスの言葉にゼウスは美味しそうに見える骨の周りに脂身を巻きつけている方を選びました。
こちらの方がおいしそうだからな、こちらにしよう

仰せのままに
しかし、実際はゼウスが選んだものはほとんど骨で、人間の取り分の方に美味しくて栄養の高い肉や内臓が詰っていました。
プロメーテウス!お前、騙したな!
怒ったゼウスは人間から火を取り上げました。
プロメーテウス、火を盗む
人間たちはゼウスから火を取り上げられ、寒さに凍えるようになりました。

火がないと、人間たちは寒さに怯えてしまうぞ。それに、火がなければ調理も出来ない。人間たちに火は絶対必要なはずだ…!
プロメーテウスは炎と鍛冶の神であるヘーパイストスの作業場にある火を人間たちに渡したのです。

プロメーテウスさん、ありがとうございます!
人間たちはプロメーテウスからもらった火のおかげで、寒さに凍えることはなくなり、様々な文明や技術を生み出しました。
しかし、人間はその火を使って武器を作り、戦争を始めるようになったのです。
ゼウス、ブチギレる
人間たちが火を使って戦争をしだしたのを見て、ゼウスは大激怒です。
こうなるのが分かってたから、わしは人間たちから火を取り上げたんじゃ!プロメーテウス、お前やってくれたのう!罪は償ってもらうからな!
ゼウスはそう言うと、権力の神クラトスと暴力の神ビアーに命じてプロメーテウスを山の山頂に磔(はりつけ)にしました。

な、何をするつもりだ…!
磔にされたプロメーテウスの周りには鷲が飛んできました。
そして、鷲はプロメーテウスの肝臓をくちばしでついばみます。

ぎゃー!
こうして、プロメーテウスは人間たちには火を与えた罰として、毎日鷲に肝臓をついばまれるという責め苦を強いられることになったのです。
プロメーテウスは不死だったので、彼の肝臓は夜中には再生し、苦しみを毎日受けなければなりませんでした。
なんとこの罰はのちにへーラクレースによって解放されるまでの三万年続いたそうです。
へーラクレースについてはこちらの記事をご覧ください。
ヘラクレスは実在した?英雄が行った12の功業の内容とは?
後日談
人間たちに火を与えたプロメーテウスは山頂に磔にされて拷問を受けることになりましたが、それではまだゼウスの気は収まりません。
人間たちをこれ以上調子にのらせてはいけん。よしっ、女を作ろう!
こうしてゼウスはヘーパイストスに命じて作ったのがギリシャ神話における初めての女性、パンドーラでした。
パンドーラは『パンドラの箱』で有名ですね。
この『パンドラの箱』についてはこちらの記事でご紹介していますので、よろしければこちらもご覧ください。
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参考:プロメーテウス