ヘパイストスが作った椅子から始まった悲劇の神話とは?

ヘパイストスのイラスト

ギリシャ神話における絶対神ゼウスとその正妻であるヘーラーの間に生まれた長男。

それがヘーパイストス(ヘーパイストス)です。

ゼウスとヘーラーについてはそれぞれ独立した記事がありますので、よろしければそちらもご覧ください。

ここでは、主にへーパイストと母であるヘーラーについての有名なお話をご紹介します。

醜いヘーパイストスが生まれる

念願だったゼウスとの子どもであるヘーパイストスが生まれて、母親のヘーラーはとてもがっかりしました。

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なんでこんなにブサイクなのよ!私とゼウスとの間の子どもがこんなブサイクなはずがないわ!何かの間違いよ!

ヘーパイストスは両足がいびつに曲がった奇形児であり、容貌も美しくありませんでした。

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もういいわ!海に投げ捨ててしまいましょう

そう言ってヘーラーはなんと生まれたてのヘーパイストスを天から海に投げ落としたのです。

その後ヘーパイストスは海の女神のテティスとエウリュノメーに拾われ、9年間育てらた後、天に帰ったのです。

彼は自分を捨てた母親を決して許しはしなかったのです…。

ヘーパイストス、母親に復讐する

天に帰ったヘーパイストスでしたが、母親であるヘーラーの冷遇は変わりませんでした。

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俺を捨てたくせに、なんであんなに冷たくできるんだ

ヘーパイストスはヘーラーへの不満が高まっていきます。

そんなある日、ヘーラーの元にヘーパイストスから贈り物が届きました。

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あら、あの子から贈り物なんて珍しいわね。何か作ったのかしら

ヘーパイストスは鍛冶の神とされており、自分専用の工房を持っていたほどでした。

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なんて素敵な椅子なのかしら

ヘーパイストスがヘーラーに贈ったもの。それはとても豪華な椅子でした。

宝石が散りばめられ、黄金で作られていたその椅子を見たヘーラーは途端に上機嫌になりました。

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あら、何よ。あの子にも気が利くところがあるじゃない。じゃあ、さっそく座ってみようかしら

ヘーラーがその椅子に腰をかけたその瞬間です。

椅子が動き出し、あっという間にヘーラーを拘束してしまい、ヘーラーは全く身動きがとれないようになってしまいました。

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何よ、これ!どうなっているの!!

ヘーラーが慌てていると、不気味な笑みを浮かべたヘーパイストスが現れました。

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何をしているの、ヘーパイストス。早く放しなさい!

ヘーパイストスはヘーラーに向かってこう言いました。

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いいですとも。あなたを解放して差し上げましょう。ただし、条件があります。私を貴方の実の子であることを認めて、神々の前で紹介してください

正直言ってヘーラーはヘーパイストスが醜いあまり、彼が自分の捨てた子であることを認めることすらしたくはありませんでしたが、このまま椅子に縛りつけられている状態でいるわけにもいかないので、これを認めました。

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わ、分かったわ!認める、認めるから!早く放しなさい!

しかし、ヘーパイストスはすぐには動きませんでした。

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本当でしょうか。母上は私を一度お見捨てになられたからなぁ…。では、こうしましょう。私とアプロディーテーを結婚させてください。出来ますか?

アプロディーテーはギリシャ神話における愛と美と性を司る女神です。

アプロディーテーについて知りたい方はどうぞこちらへ。

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わ、分かった!結婚させてあげるから!

ヘーラーは助かりたい一心でこれを了承してしまいます。

ヘーパイストス画像

約束は守ってくださいね、母上

こうしてヘーパイストスはヘーラーを椅子から解放する代わりに、絶世の美女と評される女神を妻として迎えることになるのでした。

ヘーパイストスの結婚生活

ヘーパイストスとアプロディーテーは結婚することになりましたが、まぁもちろん上手くいくはずもなく、アプロディーテーは浮気をすることになります。

アプロディーテーの浮気については別記事にてご紹介していますので、どうぞこちらをご覧ください。

また、一説によるとヘーパイストスもまたアテネと浮気をした(というよりヘーパイストスが一方的にアテネを襲った)という話もあります。

こちらの記事の中でそのお話に触れていますので、そちらも合わせてお読みください。

いずれにせよ、無理矢理な結婚は幸せにはならないということを古代ギリシャ神話の中でも描かれているのですね。


参考:ヘーパイストス