半獣人『パン(パーン)』とは?笛の悲しいギリシャ神話物語

半獣人『パン(パーン)』とは?笛の悲しいギリシャ神話物語

ギリシャ神話のパン(パーン)は羊飼いと羊の群れを監視する神です。

下半身は四足歩行で、頭部にはヤギのような角をもつと言われています。

パーンは好色としても有名でたくさんの恋愛ストーリーを残しています。

もちろん、恋愛ストーリーで有名と言ったら、ギリシャ神話の絶対神ゼウスですね。

ゼウスは正妻のヘーラーがいるにも関わらず、数多くの浮気を繰り返しています。

そんなゼウスの恋愛も知りたいという方はどうぞこちらをご覧ください。

そんなゼウスのように恋多きパーンですが、トレードマークはです。

その笛には少し悲しいお話があったのです。

ここではパーンの悲しい恋愛についてご紹介していけたらと思います。

シューリンクス

シューリンクスはアルカディアの野に住む美しいニュムペー(若い女性の精霊)で、アルテミスという女神の侍女でした。

このアルテミスですが狩猟貞潔(ていけつ)の女神で、処女性をとても大切にしていました。

そんなアルテミスの従者だったシューリンクスも自らの処女性を大切にしていました。

そんな時、パーンがこのシューリンクスを口説きだしました。

パーン画像

君かわいいね。僕と一緒に遊ばない?

パーンから声をかけられたシューリンクスですが、

シューリンクス画像

アルテミス様みたいに貞操をしっかり守らなければ…

と思い、パーンの話をそこそこに逃げ出しました。
パーン画像

あぁ、どうして逃げるんだい…!

パーンはシューリンクスを追いかけます。

シューリンクス画像

お願い、追ってこないで!

川の土手まで追い込まれ、彼女は水の中にいるニュムペーに助けを求めます。

シューリンクス画像

お願い!助けて!

パーン画像

追いついたよ!

パーンがシューリンクスの手に触れた瞬間、シューリンクスの姿は川辺の葦へと変化しました。

風がその葦を通り抜けた時、悲しげな音が鳴りました。

パーンは追いかけたニュムペーのために葦をいくつか切り取ると、それで笛を作りました。

パーン画像

これをパーンの笛と呼ぼう

こうしてこの時作られた笛がパーンパイプパーンフルートと呼ばれているのです。

エーコー

エーコーは歌と踊りが上手なニュムペーです。

パーンが恋をした多数のニュンペーの中の一人がエーコーでした。

パーン画像

なんて美しい声にダンスだ。君はとっても魅力的だね

エーコー画像

私、男性が嫌いなの

しかし、エーコーは男性との恋を好ましいものと思っていなかったので、パーンの求愛を断ったのです。

パーン画像

なんて女なんだ!男が嫌いってどういうことだよ!歌が上手いからって調子乗ってんじゃねーよ

パーンはエーコーに振られたことにプラスして彼女の音楽の才能への嫉妬も相まって、エーコーを憎むようになってしまいました。

パーン画像

よし、痛い目に合わせてやる。お前たち、行け!

パーンは自分の配下である羊飼いたちを狂わせて、エーコーを襲わせました。

エーコー画像

な、何をするんですか!や、やめて…!

羊飼いたちはエーコーの身体を八つ裂きにしました。

こうしてエーコーがバラバラになったことにより、歌に「」が出来たとされています。

ガイア画像

まぁ、エーコーがこんな姿に…

バラバラになったエーコーは大地の女神ガイアがその肉片を受け取りました。

こうして今でも大地にあるエーコーの声は他の物が話した最後の数語を繰り返しているのです。

ギリシャ神話に見られる悲恋

ギリシャ神話では数多くの恋愛ストーリーが描かれています。

しかし、その多くはハッピーエンドではない悲恋が多くを占めています。

例えば、芸能・芸術の神で有名なアポローン

彼もまた悲しい恋をいくつか経験しています。

詳しくはこちらです。

また、ギリシャ神話の冥界神ハーデースの数少ない浮気話であるメンテ―との恋愛も悲恋です。

メンテ―はミントの語源にもなりました。

ギリシャ神話では登場人物の名前が花の名前になったりするのも多いです。

神話が現在にも脈々とその影響を及ぼし続けているのです。


参考:パーン (ギリシア神話)