ギリシャ神話の『ヘルメース(ヘルメス)』とは一体何者?

ヘルメースのイラスト

ヘルメース(ヘルメス)はオリュンポス十二神のうちの一人であり、伝令の神です。

とりわけゼウスの使いであり、ゼウスの浮気エピソードにちょい役のときもあれば、結構重要な役として登場しています。

ゼウスの浮気に何とかして対処しているヘルメースはどうぞこちらの記事にてご確認くださいませ…。

ここではヘルメースに焦点を当てたエピソードとそもそもヘルメースって何者?というところをご紹介できたらと思います。

さっそく参りましょう。

多才なヘルメース

ヘルメースは伝令の神というのが一般的ですが、もう一つ旅人・商人の守護神としても有名です。

有名でない細々としたものを入れると、幸運と富を司り、狡知に富み詐術に長けた計略の神、早足で駆ける者、牧畜、盗人、賭博、商人、交易、交通、道路、市場、競技、体育、雄弁、音楽の神などの神と本当に多面的な性格を持っていると言えます。

まるっとざっくり言うと、いわゆる何でも屋のような側面を持っているとも言えると思います。

ヘルメースの生い立ち

ヘルメースはゼウスとマイアという女神との間に出来た子どもです。

ヘルメースは生まれるとその日のうちにゆるかごから抜け出し、アポローンが飼っていた雄牛50頭を盗んだとされています。

アポローンについてはどうぞこちらの記事をご覧ください。

しかもヘルメースは自身の足跡を偽装したり、証拠品を燃やすなどして完璧な偽装工作までやってのけていたのです。

翌日、いるはずの牛がいないことにアポローンは首をひねります。

アポロン画像

あれ、どうして牛がいないんだ?それに何の形跡もない…。どういうことだ…

アポローンは占いにより(アポローンは予言の神なので、自分で占ったのでしょう)ヘルメースが犯人であることが分かりました。

アポロン画像

なんだあいつは!ふざけるな!

激怒したアポローンはヘルメースを見つけると、牛を返すように迫ります。

アポロン画像

君、僕の牛を盗んだだろ!返しなさい!今すぐに!

しかし、ヘルメースは余裕綽々にこう答えました。

ヘルメス画像

何を言っているんですか。僕は昨日生まれたばかりですよ。そんな僕にそんなことが出来る訳ないでしょう?

そこでアポローンはヘルメースをゼウスの前に連れて行きました。

しかし、そこでもヘルメースは

ヘルメス画像

僕は盗んでいませんよ。というか生まれたばかりで嘘のつき方も知りません

と平然と嘘をつきました。

それを見ていたゼウスは

ゼウス画像

こいつは泥棒と嘘の才能があるな

とヘルメースの性質を見抜いたのです。
ゼウス画像

ヘルメース、牛はアポローンに返しなさい

ゼウスにそう言われて、ヘルメースはしぶしぶ牛をアポローンに返したのです。

ヘルメス画像

ちぇっ、納得いかねぇや

不貞腐れていたヘルメースは洞窟にいた亀を捕まえて、その甲羅に羊の腸を張って、竪琴を作りました。

ヘルメースがその竪琴を奏でていると

アポロン画像

なんて良い音色なんだ…

とアポローンが寄ってきました。
アポロン画像

頼む、その竪琴を僕に譲ってくれないか。代わりに雄牛を交換してやるから

ヘルメス画像

分かった、いいよ

ヘルメースはさらに葦で笛を作ると、アポローンは友好の証としてケーリュケイオンの杖をヘルメースに贈ったとされています。

この杖はヘルメースの持ち物としてとても有名になります。

また、この時アポローンとお互いに必要な物を交換したことからヘルメースは商売の神になったと言われ、生まれた直後に色んなところを飛び回ったことから旅の神にもなったのです。

ヘルメースとアプロディーテー

ヘルメースは愛と美と性の女神であるアプロディーテーに片想いをしていたことでも有名です。

アプロディーテーについて知りたい方はどうぞこちらをご覧ください。

このアプロディーテーがしていた浮気騒動にヘルメースは巻き込まれます。そのお話がこちらです。

基本的にアプロディーテーから全く相手にされていなかったヘルメースですが、ある時ゼウスに頼んで鷲を借りてくると、その鷲と自身の泥棒の才能を使ってアプロディーテーの所有物である黄金のサンダルを盗んだのです。

ヘルメス画像

アプロディーテー、サンダルを返してほしければ、僕と関係を持ってくれ

とヘルメースはアプロディーテーに迫りました。

結局、二人の間にはヘルマプロディートスプリアーポスという子どもも生まれたようです。

ヘルメースはアプロディーテーに一途だったのかと言うとそうではなく、ペルセポネーや多数のニュムペー(若い女性の精霊)とも関係を持っており、子どもも複数人います。

この好色なところはしっかりと父親であるゼウスの血を引いたようですね。


参考:ヘルメース