【ギルガメシュ叙事詩】親友エンキドゥとの出会いと死別

【ギルガメシュ叙事詩】親友エンキドゥとの出会いと死別

ギルガメッシュという名前を聞いて、私がまず思い浮かぶのはゲームのfateシリーズに登場するキャラクターということです。

ゲーム自体はやったことがないのですが、そんな私でも知っているくらいなので人気のキャラクターなんだろうなと思っておりました。

鈴木園子画像

しかしながら、ゲームではない歴史上のギルガメシュの伝説も凄いんです!

今回は『ギルガメシュ叙事詩』の中からギルガメシュの親友エンキドゥとのストーリーをざっくりご紹介出来たらと思います。

エンキドゥ、神によって粘土から造られる

ウルク市の王であるギルガメシュは強い英雄でしたが、また暴君としても知られていました。

その暴君ぶりを嘆いている国民の声を天神アヌは聞いていました。

天神アヌを含むメソポタミアの神々についてまとめた記事もありますので、よろしければこちらもご覧ください。

そこでアヌは創造を司る女神アルルにとある命令をします。

天使画像

ギルガメシュと同じだけの力を持つ者を造って、ギルガメシュを諫めよう

アルルは粘土から一人の男を造りました。それがエンキドゥです。

エンキドゥは粘土から造られると、ウルクから離れた野に置かれました。

エンキドゥ、野獣から人間になる

野に降りたエンキドゥは最初人間としての知能がありませんでした。

エンキドゥは長い髪と毛むくじゃらの体を持ち、獣たちと同じように草を食べたり水を飲んだりして過ごしていたのです。

そんなエンキドゥですが、ウルクの狩人の間で噂になります。

狩人画像

ギルガメシュ様、森に何者かがいて、私たちの狩りを邪魔するのです

ギルガメシュはこう答えます。

ギルガメシュ画像

神聖娼婦のシャムハトという女がいるから、そいつを連れて森に行け

狩人はギルガメシュに言われた通りにシャムハトを連れて森に戻りました。

すると、エンキドゥは獣たちと共に現れました。

獣たちは人間の女性であるシャムハトを見ると逃げていきましたが、エンキドゥだけは逃げませんでした。

それどころか、シャムハトの魅力に惹かれ、そこから六晩七日二人は交わりました。

するとエンキドゥは過剰なまでの精を吐き出すことにより、野人性を失いました。

その過程で獣たちから孤立し力も弱くなりましたが、代わりにエンキドゥは知恵と思慮を身に付けることに成功し、人語を理解することが出来るようになったのです。

エンキドゥとギルガメシュ、出会う

人語だけでなく、シャムハトから飲食や着衣など人間とはどういった者なのかを教わったエンキドゥはとある男の存在もまた教えられます。

シャムハト画像

エンキドゥ、ギルガメシュ様を知っているかしら?

エンキドゥ画像

ギルガメシュ?

シャムハト画像

そう。ウルクっていう街の王様で、私をこの森に連れて行くよう助言したお方。とっても強いって評判よ

エンキドゥ画像

強い…仲間…欲しい!

エンキドゥはギルガメシュの存在を聞くと、自らウルクへと向かいました。

その頃、ギルガメシュはおかしな夢をみます。

ギルガメシュ画像

天の星が落ちて、なぜか俺が斧を愛おしむ変な夢を見たんだ

ギルガメシュの母親は彼の夢を知るとこう言いました。

おばあちゃん画像

それはきっとあなたの友が来る先触れよ

こうして運命の二人は出会うことになるのです。

実際にエンキドゥとギルガメシュが出会うと、当初の神々の思惑通り激しい戦いを繰りひろげました。

ギルガメシュ画像

お前、やるな

エンキドゥ画像

そっちこそ

お互いに対等であること知った二人は抱き合い、そこから親友となるのです。

ギルガメシュとエンキドゥ、フンババを退治する

親友となったギルガメシュとエンキドゥですが、ある日ギルガメシュが恐ろしい森の主であるフンババの討伐計画をエンキドゥに持ちかけます。

ギルガメシュ画像

森にある杉の木を手に入れるためにはフンババを倒さなければならないんだ

エンキドゥ画像

ギルガメシュ、それは無謀だ

エンキドゥはギルガメシュの言葉に消極的でしたが、ギルガメシュは止まりません。

ギルガメシュ画像

大丈夫だエンキドゥ。シュマシュ(ギルガメシュ専属の守護神であり太陽神)の加護もある

こうして二人はフンババを退治しに、森へ向かうことになります。

森に入ると間もなくしてフンババが現れます。

シャマシュは2人に

シャマシュ画像

恐れるな

と声を掛け、北風や南風など8つの風を起こして援護してくれました。

そしてついに二人はフンババを倒すことに成功するのです。

フンババ画像

頼む。命だけは助けてくれ

フンババは最期に命乞いをしました。

ギルガメシュ画像

ふむ…そうだな

ギルガメシュがその命乞いを聞き入れようとしましたが、エンキドゥがそれを遮りました。

エンキドゥ画像

いや、そんな奴、生かしておく必要はない

エンキドゥの情け容赦ない姿にフンババは怒りました。

フンババ画像

エンキドゥがギルガメシュよりも長生きできないように

フンババが殺される直前、彼はこのことを祈り捧げました。

こうして二人は杉の木を持ってウルクの戦いに勝って帰り、国民から賞賛を受けました。

この時の凱旋の様子を見ていた一人の女神がいました。

それが愛の神イシュタルで、彼女はその時ギルガメシュに惚れてしまったのでした。

ギルガメシュ、イシュタルの求婚を断る

イシュタル画像

ギルガメシュ、かっこいい!私と結婚して!

ギルガメシュに惚れてしまったイシュタルは彼に求婚します。

ギルガメシュ画像

いや、ないでしょ

ギルガメシュがこれを断るとブチ切れしてしまうイシュタル

イシュタル画像

私の求婚を断るなんて生意気よ!こうなったらグガランナ(聖牛)を送り込んでやるわ!

こうしてギルガメシュとエンキドゥはイシュタルが送りこんだグガランナとも戦うことになります。

二人は無事に聖牛に勝利しました。

しかし、この時イシュタルが怒りに任せてギルガメシュを呪っていたのです。

それを見たエンキドゥはブチ切れ、死んだグガランナのももを引きちぎってイシュタルの顔面に投げつけます。

イシュタル画像

きゃー!!

ギルガメシュ画像

お前をこの牛のようにしたいところだ

イシュタルはこれでも一応神ですので、神に対するこの仕打ちはどうだとエンキドゥは他の神々から怒りをかってしまいます。

エンキドゥ、死ぬ

神々画像

フンババの件といい、イシュタルの件といいエンキドゥの行動には目が余る。彼をこれ以上生かしてはおけまい

神々の話し合いによって遂にエンキドゥの死が決定してしまいます。

シャマシュ画像

待ってください!エンキドゥはただギルガメシュの命令を聞いただけです。なぜ彼が死ななければならないのですか!?

ギルガメシュの守護神であるシュマシュは最後まで反対しました。しかし。

エンリル画像

シュマシュ。貴殿は勘違いしていないか?毎日あの二人と行動を共にして仲間のように思っているのではないか?

と最高権力者である神のエンリルに怒られ、エンキドゥの死は決定してしまいました。

エンキドゥは高熱にうなされ、精神的に不安定になり周りの人々を呪いだしました。

エンキドゥはシャムハトまでを呪い出したので、シュマシュはエンキドゥにこう言いました。

シャマシュ画像

シャムハトのお陰で人間らしくなったし、ギルガメシュという親友ができたじゃないか

それを聞いたエンキドゥは落ち着きました。

そしてエンキドゥはギルガメシュと今までの冒険の話を語り合いました。

エンキドゥ画像

僕のことを忘れないで

最期にエンキドゥはそう言ってギルガメシュが見守る中息をひきとりました。

高熱が出てから十二日後のことでした。

ギルガメシュはエンキドゥの死体が腐り始めるまで彼のそばにいたとのことです。

こうしてギルガメシュは親友のエンキドゥと永遠のお別れをしたのです。

その後のギルガメシュ叙事詩のお話などのあらすじはこちらの記事をご覧ください。


参考:ギルガメシュギルガメシュ叙事詩エンキドゥ